うお座
好きの分だけ幸せになろう
エアコン賛歌
今週のうお座は、「エアコン大好き二人で部屋に飾るリボン」(長嶋有)という句のごとし。あるいは、役に立たない遊びをこそ満喫していくような星回り。
省エネやエコという言葉が人口に膾炙して以来、エアコンはどこか必要悪のような存在へと変わってしまったように思う。あんまりだ。
毎年この季節になるとエアコンつけるかつけないかで僕らはケンカになるけれど、エアコンが大好きだと公言してはばからない人間が世の中に一人くらいいたっていいじゃないか。
少なくとも、赤ちゃんは体温が高く温度調整できないから、エアコンが大好きなはずだ。
でも彼らは口がきけないから、自分が代わりに声を大にして主張しておこうと思う。いや、それじゃ暑苦しいから、エアコンの風が当たるあたりにリボンでも飾ってみようかな。
どうせなら、きみも手伝わない?きっと一緒にやったら楽しいよ。
…そんな、まだ子供のいない若い夫婦の会話を思わず妄想してしまった一句。こうしてまた何の役にも立たない時間を過ごしてしまった。ので、それをここにそのまま書きました。
12日にやぎ座から数えて「ささやかな満足」を意味する2番目のおひつじ座で火星に月が重なっていく今週のあなたもまた、身も心もよろこぶような優しさで自分の手の届く範囲内を満たしていきたいところ。
自分への贈り物を考えよう
「大人同士の夜」
「テレビもケータイもいらない夜」
「新しい自分に目覚める」
「夢と冒険のはじまり」
例えばマスターカードのCMで紹介されていた「プライスレス」なものは、どれもその人たちの人生の中で一回あるかないかの貴重な「体験」であり、味わう価値のある特別な「瞬間」でした。
人生は長いようで短く、けれど意識すればそれなりの準備期間を設けることができます。戦乱で重症を負って故郷に隠遁した元武将のラ・ロシュフーコーは「われわれは幸福も不幸も、自己愛に見合う分しか感じることができない」という箴言を残しました。
この「自己愛」という部分を「何かを好きである強度」に置き換えれば、先のエアコン讃歌を構造的に理解するための助けになるのではないでしょうか。
今週は、人であれモノであれ体験であれ、自分への人生をかけたプレゼントとして捉え、思いを馳せてみるといいでしょう。
今週のキーワード
だんだん好きになってきたもの