うお座
主語を大きくする方へ
謙虚さのセンス
今週のうお座は、「下萌えぬ人間それに従ひぬ」(星野立子)という句のごとし。あるいは、人としてどう振る舞うべきか、考えるのではなく感じて察していくような星回り。
春になると、まず枯草の下から草の芽が出始める。すると、それに従って、人間もまた活動を始めるのだ。
注目すべきは掲句のなかで「人間」という言葉が「それ」という言葉と並べて使われている点。
その中には作者も入っているはずですが、「われ」にとどまらず、主語をとても大きな意識レベルへと拡張するや否や、かそけき対象であることを暗示する「それ」という指示語と結びつけることで、そこで必要とされる謙虚さの度合いをより強調している訳です。
これは技巧による演出というより、作者のセンスの非凡さの表れであり、常日頃からどのように世界を見聞きし、物事を考えているかが反映されているのだと言えます。
その意味で、19日(水)に太陽が自分自身のサインであるうお座へと移っていく今週のあなたもまた、自分が普段どのような仕方でこの世界と向き合っているか、改めて意識し、襟をただしていくといいでしょう。
心の奥底での芽吹き
これまで停止していた心の動きやほとんど忘れかけていた感情が突然動き出して進展していくような今週ですが、こうしたプロセスは少なからずあなたの周囲の人間関係にも影響が出てくるでしょう。
もしあなたがシングルなら、息を継ぎ一休みできる相手なら誰でもいいという心境にはもう居られなくなっていくはず。もっと自分の中の最高の満足を追求し、あるいは芽吹き始めた思いをより一層掻き立ててくれる相手でなければ、と。
また、もしパートナがいるならば、今まで気付かない振りをしてきたり、宙ぶらりんにしたまま触れずにいた関係性の側面に、どこかで踏み込んでいくことになるでしょう。ただ、それは思考で相手や自分を分析したり、切り捨てたりというのではなく、より大きな主語にいたるための想起であり、再統合のプロセスとなっていくはずです。
心をのびのびと解放していくと、いい意味で「わがまま」になっていくもの。
もっと自分はわがままになってもいいのだと、今週は自分に語りかけてあげるくらいでちょうどいいのかも知れません。
今週のキーワード
自分勝手でも他人思いでもなく