うお座
生きがいを探る
ロールモデルとしての神谷美恵子
今週のうお座は、神谷恵美子の『生きがいについて』のよう。すなわち、「真摯に生きているか?」という問いかけに、一つの手応えを感じていくような星回り。
「生きづらい」という言葉も、今やネットやSNSで目にしない日はないというくらい一般的になってきましたが、「生きがい」について論じた本書が刊行されたのは1966年。今から50年以上も前のことです。
津田英学塾に在学中にハンセン病を初めて知った著者は、その後親の反対を押し切って医学部進学を決意し、30歳で精神科医となります。
そして、病いに苦しむ人の傍らでどうしたら人は生きる希望を見出しうるか、「生きがい」を持てるのかを洞察し続ける中、何かを求めて苦労する行為こそが生きがいをもたらしてくれるのだと看破するのです。
「ほんとうに生きている、という感じをもつためには、生の流れはあまりになめらかであるよりはそこに多少の抵抗感が必要であった。したがって、生きるのに努力を要する時間、生きるのが苦しい時間のほうがかえって生存充実感を強めることが少なくない」
そして、そうして「生きがいを感じているひとは他人に対してうらみやねたみを感じにくく、寛容でありやすい」のであり、これは自分の生を生きていくのに、ねたみやうらみを必要としないということでもあります。
13日(月)から14日(火)にかけて、うお座から数えてやはり「生きる希望」を意味する11番目のやぎ座で太陽と土星と冥王星が正確に邂逅していく今週のあなたもまた、「一体自分は何がしたいのか、また何ができるのか?」と自身に問いかけていく中で、自分が何か大きなものに生かされていることを改めて痛感していくことになるでしょう。
未来の目標に重ねていくこと
本書には、生きがいを見失ってしまった人へ向けた処方箋のような言葉も多く載っていますが、その中のひとつに、生きがいには「未来に向かう心の姿勢」が必要であるという一節があります。
「自己の生存目標をはっきりと自覚し、自分の生きている必要を確信し、その目標に向かって全力を注いで歩いているひと―いいかえれば使命感に生きているひと」
こそが、もっとも生きがいを感じやすいのだ、と。
確かに、使命感に生きているひとは、自分の名が広く世の中に知れ渡ることがなくても、また正当な評価が下されなくても、それに腐って自分の活動の価値を疑ったり、ましてや途中でやめようとすることはないはずです。
難しく考える必要はありません。何のためになら、自分を捧げられるのか。そしてそれはどのような未来の目標とリンクしていくのか。その答えを、自分なりにストレートにぶつけていくこと。それが今週のあなたのテーマなのだと言えます。
今週のキーワード
「生きがい」と「生きづらい」