うお座
未来からの訪れ
逆巻く滝のごとく
今週のうお座は、「未来より滝を吹き割る風来たる」(夏石番矢)という句のごとし。あるいは、現実の歩みのなかに別の時間の流れが合流してくるような星回り。
滝というのは不思議なもので、ずっと眺めていると、不意に水が下から上に逆流しているように見えてきたりする時があります。
掲句では滝を吹き割る「風」に注目し、それが未来という現在とは別の時間からやってきているのだと感じている訳です。
ふつう、時間は過去から現在、現在から未来へと一直線に流れているものとイメージされ、私たちは心に余裕がなくなればなくなるほどその流れに意識をコミットさせていきます。老後2000万と言われて、あわてて貯蓄や投資を見直し始めた人などは、特にそうでしょう。
しかし、もし時間というものが「流れ」ているとするならば、そこにはやはり掲句のような風を未来から現在へ運んでくる抜け道や、逆流する滝のような瞬間が訪れてきているのではないでしょうか。
3日にうお座から数えて「心臓の高鳴り」を意味する5番目のかに座で新月が起こっていく今週は、どこか水を通じて天と地が結ばれていくような特別な瞬間を体験していくことができるかも知れません。
開かれつつ、待っている
例えば「自動筆記」。これはあたかも何か別の存在に憑依されて肉体を支配されているかのように、自分の意識とは無関係に何かを書き出していってしまう現象を言いますが、霊媒だとか降霊実験など大げさな言い回しで表現しなくても、私たちは少なからずこうした現象を日頃から体験しているのです。
そう、六感とか虫の知らせが誰にでもあるように、未来は誰の元にも頻繁に訪れている。それは聞き間違いや、なんとなく発した一言、なぜか買ってしまった品物など、じつにさまざまな形で私たちの元に降りてきます。
ただそのことに気付くにはいわば「意識的無意識」ということを、どこまでできるかが問われます。開かれつつ、待っていること。そして捕まえた途端に表現に変えること。この一連の流れを、今週はどうか大切にされてみてください。
今週のキーワード
時間は必ずしも一直線に流れてはいない