うお座
不運と遊べよ神の子よ
出口王仁三郎という人
今週のうお座は、「ころころと背すぢつたひて首の辺に爆発したり風呂の湯の屁は」(出口王仁三郎)という歌のごとし。あるいは、表面からはなかなか伺い知れないような複雑な感情的もつれを解消しようとしていくような星回り。
世間一般の宗教家のイメージとはかけ離れた爆笑短歌に、思わずズッコケてしまう人もいるでしょう。しかし、むしろその溢れ出る人間臭さを隠そうともしないところこそ、宗教家としての破格さを何よりも雄弁に物語っているように思います。
出口王仁二三郎は大本教という看板を背負い、その生涯を三千世界の「立替え・立直し」のために奔走したといわれています。
三千世界とは、この世だけでなく、天界や地獄界などのあの世を含めた宇宙全体のことを指しており、彼はそういうスケールの世界観を宇宙から見れば塵のごとき人間の身のまま生きてみせたのです。
結果として、大本教は二度の国家弾圧を受け、大手マスコミも大本を「邪教」と断定。王仁二三郎も逮捕され、壊滅的な打撃をこうむった訳ですが、敗戦による大赦令によって71歳で保釈された王仁二三郎は、教団の関係弁護士たちが国への損害賠償請求の訴訟について打ち合わせていると、
「今度の事件は神様の摂理だ。わしはありがたいと思っている。今更過ぎ去ったことをあれこれ言ってどうする」
と言い放ったそうです。王仁二三郎からすれば、教団や自身の受けた被害そのものは「屁」でもなかったのかもしれません。
3日(月)にうお座から数えて「安心」や「安寧」を意味する4番目のふたご座で新月を迎えていく今週のあなたもまた、清濁や善悪を超えたモノへ身を委ねていくことで、胸にいっぱいになっていた溜飲を下げていきたいところです。
幸運にまみれると失ってしまうもの
幸運にまみれていると、どうしてもすでに持っているもののありがたみに鈍感になってくものですし、さらに一度手に入れたものを失いたくないという心理も働いて、本人も気付かないうちに人を窮屈で面白味のない人間へ変えてしまいます。
あなたには、たとえ今まわりにいる誰からも顧みられることがなくなっても、進んでいきたいと思える道はありますか?
あるいは、何か大事なものと引き換えにしてでも得たい喜びや噛みしめたい気持ち、歌いたい歌がありますか?
剝き出しでいれば、そのぶん損をしたり奪われたりして、一般に大切とされるものを失ってしまう機会は増えてしまいますが、一方でそのぶんだけ人は自由になっていく。 おそらく王仁三郎という人は、本能の部分でそのことがよく分かっていたのでしょう。
今週のキーワード
三千世界に生きる