うお座
辻に差し掛かる
縁に問うということ
今週のうお座は、「つまづく石も縁の端」ということわざのごとし。あるいは、「つまづく石」のような、相手に対する見方を変えていこうとするような星回り。
現在、70億人を超えているという世界人口の中にあっても一度も顔を合わせることなく死にゆく人がほとんどである状況で、同じ国に生まれ一度でも顔を合わせたことさえも一方ならぬ因縁ですが、敵となり味方となり、友となり仇となるのも、幾十万年か限りなく続いてきた時の流れの中で起きた奇蹟的な偶然と言えるでしょう。
これによって見れば、ほんの電車の行きずりに一瞥を与えあった人たちだって、深い因縁をもっており、逆に因縁なくして知り合うことなど不可能に思えます。
しかしそうは言っても、実際にあなたが過去に転ばされた相手や、現に負担を感じている相手に対し、いきなり感謝感激できる人はいないでしょう。
ただ、覚えておいてほしいことは、人と人とが再会する縁とは、想像以上に深いものだということです。
特に、なぜか嫌いな相手、憎い人など強い喜怒哀楽を起こさせる相手ほど、対応次第で自分を成長させてくれたり、周囲と結んでいる縁そのものを浄化させてくれるのだという‟認識”は、今週のうお座にとってとても大切なものとなっていくはずです。
意識の交差点で揺れること
人は人生で何か困難にぶつかった時、しばしば占いをしてきました。例えば、日本でも非常に古くから行われてきた夕占(ゆうけ)では、夕方に辻(十字路)などに立って、通りすがりの人々が話す言葉の内容を元に占っていました。
多くの人で行き交う夕暮れ時の橋や四つ辻というのは、ある種独特の風情があります。
黄昏れという言葉が「誰そ彼(たそがれ=あれは誰だろう?)」に由来するように、昼の太陽のもとではくっきりと明確だった人々の輪郭が、夕闇の中ではすーっと曖昧に溶けていってしまい、それが意識のトランスを促し、古来より占いをするなら夕暮れ時とされてきたのです。
一度は溶けあった相手も、行き違い、異なる道を行く時もある一方で、一度は袂を分けた相手も、再びめぐり合い、相歩み寄ることになる時だってある。
今週のあなたは、まさにそんなタイミングを迎えていこうとしているのかもしれません。
今週のキーワード
「言霊の八十の巷に夕占問ふ占まさに告る妹は相寄らむ」柿本人麻呂