うお座
無明を除き去るために
認識と予感
今週のうお座は「原子炉の無明の時間雪が降る」(小川軽舟)という句のごとし。あるいは、深い深い「無明」を前に予感を働かせていくような星回り。
福島の原発事故のあと、しばらくして作られた句。東海村で日本初の原子力発電所が運転開始されたのが1966年。そして今年、日本の原発輸出は総崩れを様相を呈しました。
半世紀経ってようやく日本人は、科学技術の混沌の深い深い闇を認識したのだと言えます。
作者はそれを、真理からは程遠い迷妄と煩悩の世界をあらわす仏教用語から借りて「無明」と言ってみせた訳ですが、高橋留美子が「漫画って難しいよねえ」とつぶやくように、認識が熟してくるほどにこの世界は深い無明の底に沈んで見えてくるのかもしれませんね。
で、それは人間関係においても同じなのかなと。
だいたい一定の月日を重ねて付き合いが深まってくるということは、それだけの浅からぬ縁が重層的に絡み合っているということですから、そこに「無明」がないはずがない。
年の瀬を迎えていく今週のあなたもまた、パートナーであれ家族であれ、これまで繰り返されてきた日々のなかで塵積って山となった「無明」をしかと認識し、この先半世紀後の未来の予感をひそかに働かせていくといいでしょう。
マクベスの魔女の言
大人になると、この世界同様に人生というものもまた、それほど綺麗なものではないということにみな気付いてきます。
そして、それを無理に綺麗に見せようとすればするほど、そこに何か底知れない汚れや歪みが生じてしまう。
マクベスの「きれいはきたない、きたないはきれい」というセリフのように、この世という見せかけの世界では、思いは「逆に成る」ということがあるレベルでの真理なのです。
つまり、外に向けて何かを願ったり、実現に向けて努力しても、かえって空しくなるだけであり、自分の内面に向かって、あくまで自分の生きやすい世界をつくれるか否か。
という方へ魂を向け変えていけるとき、何気ない形で思いは叶いやすくなるんですね。
そのことをよく踏まえた上で、今週は「自分の望みとは何なのか?」と改めて内側へ向けてしっかりと問いかけてみてください。
今週のキーワード
思いは「逆に成る」