うお座
静かに息を吐いていく
月のごとく
今週のうお座は、何もしないエロティシズム。いかにもやらないようでいて、やっていたり。あるいは、機が熟すまで留まり続けていくような星回り。
占星術でいえば太陽と月がそうですが、一方に行為するということが当たり前になっている者がいれば、もう一方には必ず行為しない者があるんです。
かつて量子物理学者のデヴィッド・ボームとインド生まれの宗教的哲人クリシュナムルティが対話していくなかで、ボームが一生懸命に知識を総動員する思考のことについて語ると、クリシュナムルティが次のようにやり返している場面がありました。
「思考は、大脳を動かしているだけじゃないか。ただ、それだけの運動にすぎない。で、動かさないようにするのが大変なんだよ」
と。
今週のあなたもまた、せかせかと体や頭を動かしていた方が楽かもしれませんが、あえて動かさないように努めていくことがテーマとなっていくでしょう。
太陽なんかは常に動いている訳ですが、月はちがう。
月は、一見じっとしているように見えるんだけれど、気が付くと位置が変わっていたり、形が変わっている。そんな変化の仕方を自らに促してみてはいかがでしょうか。
息のつなぎ目に在る
ここ数週間、息せき切って駆け抜けてきた人は、新しい空気を肺に吸い込もうとするのではなく、できるだけ残っているすべての息を吐ききっておくことを心がけていきたいところ。
うまくいけば、こうした息のつなぎ目、あるいは吐く息と吸う息が溶け合う瞬間に、大きなエネルギーと接続していく感覚を感じることができるはず。
息のつなぎ目は物事の終わりと始まりの交錯するリアリティーの結節点であり、自分はどこから来てどこへ行くのかを再確認していくタイミングでもあります。
そこでぜひ次のように考えてみてください。
- 息が体の中に入るとき、いったいその息はどこへ行くのか?
- 息が外へ出るとき、いったいどこから息は出ていくのか?
息は中心へ入り、中心から出ていきます。そして中心とは頭ではなく、あくまでおへそ。
そして息というのはあなたと中心とをつなげてくれる懸け橋であり、あなたはいま1つのサイクルの終わりから新たな始まりまでの間に立っているのです。
一時時おとずれる空白を通して、自身の力の源を見出していきましょう。
今週のキーワード
何もしないでいる時間