うお座
身近な自然とつながる
身に山を蔵す
今週のうお座は、「葛水の通るや腹の九折」(嘯山)という句のごとし。あるいは、自分の中に、なにかどっしりとした落ち着いた流れを納めていくような星回り。
葛水(くずみず)とは、葛粉を溶いた葛湯を冷やした夏の飲みもの。現代でいうポカリスエットのような感覚で、暑い日盛りの日の水分補給やお腹の薬として飲まれてきたのだそうです。
掲句では、飲み干した葛水がのどから胃へ、胃から腸へとじわじわと下っていく感覚を、作者は「九折(つづらおり)」に重ねている。九折とは、山道が幾重にも折れ曲がっているところのこと。
降り注いだ雨は山を貫き浸透しては、時間をかけてろ過され、やがて湧き水となって外へと流れ出ていく。思わず腹のなかにひとつの山を蔵したような気分にさせられる一句。
自分の未来というものは、自分の肉体の中にしかありません。
誰かから受けた思いやりであれ、自分の体内をくぐり抜けたときに初めてそれは意味を持つのだということを、今週は身をもって実感していくことになるでしょう。
肉体という名の庭を世話すること
本来、私たちの肉体というのは、複雑な機構や働きをギュッとコンパクトに詰まっているのですが、私たちはそんな工場の生産性だけは享受しながらも、しばしばメンテナンスを忘れてしまいますね。
同様に、自然に関心を払うことは昔から人間の基本的な本能でしたが、都市に暮らし、車を乗り回し、一日中パソコンの前に座るようになってから、そうした本能はすっかり壊れてしまったように思います。
それ以前の人類は、何を食べるか、それがどこにいるか、どのように生えるかについて常に考えながら生きていました。
農耕の始まりまで、植物を見分けられなければならなかったし、おいしい食べ物と毒のあるものとを取り違えた者は、もし無事に生き延びることができた場合、同じ間違いを繰り返さないことを誓いながら、自分の経験を他の人にも伝えたことでしょう。
今週は、特に腸をケアすることを通して、自然とつながろうとする本能を再び呼び覚ましていくことがあなたにとって大事な課題となってくるはずです。
今週のキーワード
微生物と見えない自然