てんびん座
初々しさと不自然さ
初めて恋をしたように
今週のてんびん座は、「初恋や灯籠(とうろ)によする顔と顔」(炭太祇)という句のごとし。あるいは、「初々しさが大切なの」とひとり、呟いていくような星回り。
灯籠にほのかに映し出されるうら若い男女の顔。なぜここに至ったのか、2人はこれからどうなるのか、それは一切わからないし、前後の記憶はもはや霧の彼方。
この初々しい映像シーンだけが、薄闇の中からぼんやりと浮かびあがってくるのであり、それこそが初恋というものだ。
ある体験が切実なものになっていくかどうかということを鑑みるにあたって、誰に話しても納得してもらえるような文脈だとか、確たる理由や事情といったものは必ずしも必要ではないんです。
それよりも、記憶のなかで切り取られたシーンがどこか絵になっているということの方が大事だったりする。
そして、今週のあなたはかつて夢の中で見たかのようなシーンの中に、初めて恋をしたときのような新鮮な気持ちではまり込んでいくことになるはず。
不自然と感じることをとりのぞく
パートナーシップであれ、友人づきあいであれ、「何が自然か」という基準で考えてしまうと、とたんに迷いが増えて、どうしたらいいのか分からなくなるものです。
判断や選択に迷ってしまった時のコツは、「何がより不自然か」を問い、心にザラリとした感触を残すものを極力避けて、生活の中から排除していくこと。
そうしたものがひとつ取り除かれるだけで、進むべき家路がくっきりと浮かび上がってくるものです。
今週は、正しい選択ができるようになるための訓練の時だと思って、ひとつひとつの分かれ道を丁寧に見定めていってください。
今週のキーワード
生牡蠣のような感受性