てんびん座
レッツ無為
わがままボディー
今週のてんびん座は、「身体の前線」から立ち上がる身体知のごとし。あるいは、身体の邪魔をなるだけしないよう、その声をしっかり聞き届けていこうとするような星回り。
整体師の片山洋次郎は、現代の都市圏のように、ただなんとなく日々を送っているだけでも大量の情報に浴びざるを得ないような環境では、情報の刺激でうっ積したエネルギーをいかに発散していけるか、もっといえば「発散させる身体」になることが最も大事なのだと述べてきました(『気ウォッチング』『オウムと身体』)。
ただ、発散といってもネットショッピングをしたり、飲み会や出会い系アプリで寂しさを埋めるような消費による発散ばかりに頼っていると、どこまでも流されるだけで疲弊してしまいますし、逆に自分以上の何者かになりたいと力み過ぎてしまったり、一つの価値観にしがみついてしまうと、かえってエネルギーがこもって停滞してしまう。
ではどうすればいいのかと言うと、片山はそれにはやはり知的レベルではなく身体的レベルで自分自身を組み替えていく必要があるし、そこでは正しいあり方に自分を「作りあげていく」のではなくて、ひたすら体の緊張を「解きほぐしていく」のだと言います。そうすれば、おのずと自分が無理なくやっていける方向や、いちばん素直なあり方が見えてくるのではないか、と。
ハイパーな情報社会で混乱することなく生きていくには、なにげない日常を生きながら、流されることなく瞬間瞬間をクリアにしていくことが、そのまま「修行」になってしまうし、私たちはますますそうした大量の情報が行き来する未曽有の社会空間に取り囲まれた身体の最前線を生きているわけです。
10月3日に自分自身の星座であるてんびん座で新月(種まき)を迎えていく今週のあなたもまた、改めて発散させる身体習慣を取り戻していくことがテーマとなっていくでしょう。
八方転びの玉
仏教の教えの中に「如意宝珠(にょいほうじゅ)」という霊験を表す宝の珠が出てきますが、これを宗教家の出口王仁三郎は「八方転びの玉」(『水鏡』)と言っていました。
これはつまり、人が来て、それに突き当たってころんでも、いささかの角もないために、人を傷つけることもなければ、わが身を傷つけることもない。そういう状態まで磨き上げられた人の心のことを言っているのだろうと思いますが、これはある意味で先の「発散させる身体」の理想的なモデルと言えます。
もちろん、最初から心が玉のような状態にある人などいない訳ですが、そのつもりで外へと転がっていくことが大事なのだと出口は言っているのです。
人の心は遠心的ですから、外へ外へと向かっていこうとするし、それを内へと引っ込めてしまえば狭い胸がなお苦しくなってきてしまう。ただその一方で、魂も決して傷つけてはいけない。外へ心を転がして、そこで何か思いがけない事件が起こったとしても、雨や風が吹きすさんでいるくらいに考えたらよい(こうした「すさび」こそがあそびの本質だった)。本来そこで何が起こったとしても、あなた自身の価値が傷つけられることは一切ないのだ。そのことに気付くか気付かないかの違いだけなんだ、と。
今週のてんびん座もまた、そうした出口王仁三郎の「惟神/かんながら(神の思し召しのままにの意)」に留意して何かと活動していくべし。
てんびん座の今週のキーワード
赤ん坊のようにころころ転がる