てんびん座
しょうもないを愛する
龍馬と焼芋
今週のてんびん座は、「土佐脱藩以後のいくつめの焼芋ぞ」(高山れおな)という句のごとし。あるいは、感情的な危機を乗り越え、平常心をつくり出すことに熟達していくような星回り。
坂本龍馬が土佐藩を脱藩したのは28歳の春。8日間にわたって山越えする決死の脱藩だったそうです。
その後の龍馬の活躍はみなの知る通りですが、そんな彼だって確かに焼芋くらい食うだろう。
「あれから何本食ったかな」としょうもないことを考えさせてみることに、いったい何の意味があるんだと、思わず詰め寄りたくなるかも知れないが、作者の意図はまさにそこにあるのではないか。
つまり、龍馬を過剰に崇め奉るファンへ皮肉を突きつけることで、誰だってしょうもないことを考えたりもする、という当たり前の真実にハッと思い至らせる訳だ。
今週はすこし肩の力を抜いて、しょうもないことを真剣に考えてみるもよし。
しょうもない自分をゆるそう
今週のテーマはある意味で、過去や人から受けた恩や結んだ縁にこだわる態度から、それらを水に流す行為へとシフトしていくこと、とも言い換えられるかもしれません。
特に頑張ればぜったいに結果につながる、なんてマンガ的精神論は即刻捨ててしまいましょう。
あるいはもし、いまあなたが抱えている利益や立場を大事に感じていて、安住しようとしているなら、そのパターンによって得られる安定の虚構性をいま一度疑ってみる必要がありそうです。
脳というのは絶えず誤作動を起こしているもの。いったん対象と距離をとって、身体に滋養を与えていくことで、冷静さと十分な体力を取り戻していきましょう。
今週のキーワード
食と呼吸