てんびん座
そのままで音楽
ハードルを思い切って下げること
今週のてんびん座は、「すでに音楽と思ふ言葉や霜柱」(村越敦)という句のごとし。あるいは、懐広く構えを大きくとって、今の自分にできることを淡々とやっていこうとするような星回り。
最後の5字を残した中七に「や」という切れ字を挿入することで無理やり俳句っぽくしていますが、これは余計な手間や加工をすることをほとんどせず、しゃべった言葉をほとんどそのまま俳句にしている一句。
そして、伝えている意味内容もまた、シャクシャクという霜柱を踏む時になる小気味良い音がすでにそのままで音楽に等しいというものになっています。
俳句や音楽などを自分の手で作ったり奏でようとするとなると、どうしても肩に力が入ってしまいますし、完璧主義な人ほど行き詰まってしまいがちですよね。
13日(月)から14日(火)にかけて、てんびん座から数えて「心の最も低い位置」を意味する4番目のやぎ座で太陽と土星と冥王星が正確に邂逅していく今週のあなたもまた、可能な限り自分に課しているハードルを下げたところから一歩踏み出していくことが大きなテーマとなっていくでしょう。
変わるものと変わらないもの
たとえこの先、あなたの取り組む仕事や、関わる世界、付き合う人間、あるいは記憶そのものが変わってしまったとしても、あなたが生きて歩みを続けていく限り、その歩みにはあなた固有の魂としか言いようのないものが宿り続けるはずです。
人間の認識や主観そのものが通用しない苛酷な現実の到来する未来世界を描いた神林長平さんのSF小説『アンブロークン 戦闘妖精・雪風』の冒頭には、
「すべては変わりゆく/だが恐れるな
友よ/何も失われていない」
という言葉が掲げられていますが、これは今のてんびん座のあなたにとっても、まさにおあつらえ向きのメッセージと言えるかも知れません。
変わりゆく世界や自分を受け入れつつ、その中にあってもいつまでも変わらない自分やその痕跡を見出いしていくこと。今のあなたならそれができるはずです。
今週のキーワード
一寸の虫にも五分の魂