てんびん座
闇の眷属と仲良くなろう
ニュクスの子供たち
今週のてんびん座の星回りは、リリスの手によって夜中に目が覚まされた時のよう。あるいは、闇にひそむ知性へみずから進んで根を下ろしていくこと。
リリスはユダヤの伝承に出てくる女性の悪霊のことで、ギリシャ神話では夜の女神ニュクスと呼ばれていました。
彼女は「従者をひきつれて、夜の最も闇の濃い時間にうろつき回」り、夜通しぐっすり眠っていられる子どもや若者のうちは遭遇しないものの、次第に老いとともに対面を余儀なくされていく訳です。
そしてこの女神にはたくさんの子供たちがおり、死の運命(モロス)、皮肉(モモス)、復讐(ネメシス)、怒り(エリニュス)、悲嘆(オイジス)、色欲(クプリス)という名で、それぞれが昼間は私たちの中でなりを潜めている心理学上の概念を象徴しており、これらは逆に夜の闇の中では盛んにこちらに働きかけてくるのです。
彼らは夜中にいったん目を覚ました者を、再び安らかには眠らせてくれないでしょう。
そうして不安を抱えた心はさまざまな思いに苛まれますが、今週あなたが留意すべきは、眠れないままベッドに横たわる時間の中でしか育たない類の知性があるのだということ。
きっとニュクスは、私たちに自分たちのことをもっとよく知ってもらおうとしているのでしょう。
14日(月)にてんびん座とおひつじ座の間で起きる満月から始まる今週は、あなたの中で眠っていた様々な夜の化身がいつも以上にうごめき騒いでいくことになるはず。
奥底からの感情の芽吹き
これまで停止していた関係や忘れかけていた感情が突然動き出して、種子から芽を伸ばしていくように進展していく今週ですが、こうしたプロセスは少なからず人間関係にも影響してくるでしょう。
もしあなたがシングルなら、息を継ぎ一休みできる相手なら誰でもいいという心境にはもう居られなくなっていくはず。
もっと自分の中の安らぎを追求し、あるいは芽吹き始めた思いを受け止め、それを愛でてくれるくらいの相手でなければ、と。
心をのびのびと解放していくと、いい意味で「わがまま」になっていきます。
もっと自分はわがままになってもいいのだと、今週は自分に語りかけてあげるくらいでちょうどいいのかもしれません。
今週のキーワード
夢よりも鮮やかな感情を!