てんびん座
六芒星を刻印していく
悦びを研ぎ澄ます
今週のてんびん座は、「夏河を越すうれしさよ手に草履」(与謝蕪村)という句のごとし。あるいは、純粋な嬉しさを頼りに、自分の身体に和合していくような星回り。
蕪村は、この句を作った加悦(かや)の村に、ひと夏のあいだ滞在するつもりでしたが、あまりの居心地の良さに思いがけなく足掛け4年も滞在することになったと言います。
その端緒となった出来事が掲句に詠まれた情景であり、その意味するところは次の通りでしょう。
炎天下に川を素足で越えていくとき、身体に涼やかな快感の喜びがあふれてくる。脱いだ草履を手に持つその姿が、そのまま嬉しさの形になっている。
身も心も洗われるとは、まさにこういうことを言うのだ思いますが、それは蕪村が滞在を延ばした理由と一緒で、やはり理屈ではないのです。
ぱっと一目みた時に、その地に和合する気持ちが自然と湧いてきて、感覚を通してそれを確かめた。
そうした蕪村の姿は、8日(木)にてんびん座から数えて「身体性」や「血肉化」を意味する2番目のさそり座で上弦の月を迎えていく今週のあなたにとって、きっとよき指針となっていくはずです。
和合への感性
例えば、男女の和合は、図形でいえば伝統的に「六芒星」に象徴されますが、今週はそうした和合への感性をいかに磨いていけるか、ということがテーマなのだとも言えるかもしれません。
この六という数字は、一+二+三であると同時に、一×二×三でもあり、最初の完全数として美の象徴とされ、現代では空気清浄機のフィルターや新幹線の床材に使われるハニカム構造としても使われています。
日本では六角形と言えばまず亀の甲羅であり、出雲大社の亀甲紋が知られていますが、これは陰と陽とが合わさった“ちょうどいい状態”と理解しておくといいでしょう。
そうした感覚を研ぎすませておくことができれば、あなたは機を見るに敏、どこかこれまでとは異なる新しい人生がスタートしている感覚を掴んでいくことができるはず。
あるいは、偶然のゆらぎの中でどう動くべきか、またどこに関しては触れずにいるべきかが直感のような形で自然と浮かんでくることもあるかもしれません。
美、おめでたいこと、ちょうどいい状態、そういうものに着目していきましょう。
今週のキーワード
数字の「6」