しし座
碧の一点
自在に視点を動かす
今週のしし座は、「泳ぎゆく我も一点海の碧」(坂本茉莉)という句のごとし。あるいは、自分自身をつまらぬこだわりから解き放ち、自在に移動していくような星回り。
ひとり海で泳いでいると、「自分も青の粒子の一粒に過ぎない」という気がしてくる時があります。その時の視点は、はるか上空からきらめく海原を泳いでいる自分を見下ろしています。
人間の視点というのはなにも、目に固定されている訳でなく、そんなふうに自在に移動していくものであり、それはどうも心が解放されていく度合いに応じて移動距離を伸ばしていくのではないでしょうか。
もしかしたら「他者から隔絶した個人」というのは幻想で、人間は本来さまざまに繋がりあい結びついた網のような存在であり、ひとりひとりの人間はその結び目に過ぎないのかもしれません。
今週はいつも以上にそうした視点の移動が目まぐるしくなりそうですが、その中で少なからずあなたが張り巡らしている繋がりについて改めて理解を深めていくことができるはず。
めぐりあう
もし今週、誰かと向かい合う時間があるのなら、その時は次の一節によく心に留めておくといいでしょう。
「人生の師は子ども、末期患者、掃除婦などあらゆるかたちをとって目の前にあらわれる。だれかを助けるということに限り、世のいかなる学説や科学も他者に対して、こころを開くことを恐れないひとりの人間の力にはかなわない。」(『人生は廻る輪のように』、E・キューブラーロス)
あるいは、孤独をしっかりとくぐっていくことを通じて、心を開ける相手や、そんな相手と向き合う喜びは見出されるのだとも言えます。
今週のキーワード
『人生は廻る輪のように』