しし座
音頭の先頭に躍り出る
今週のしし座:異人からまれびとへ
今週のしし座は、まれびとの舞のごとし。あるいは、自分の属している文化や慣習とはまったく異なる世界へと闖入する「異人」として、振る舞っていくような星回り。
社会学者のゲオルグ・ジンメルによれば、「異人stranger」とは漂泊と定住の両義的在り方を示す人々のことであある。この点では民俗学者・折口信夫の「まれびと」もまた共同体との関係において異人としての要件を満たしていると言えます。
つまり「異人」というのはアジア人といったような実体概念ではなく、関係概念である。
そしてひとつの内集団としての共同体の内側(中心)に視点をすえ、来訪者や移住者たちが「異人」(かれら)として表象されることで生まれてくる訳です。
古来より祭りという劇には、道化の存在が欠かせないものとされてきました。
ですが異類異形の者たちは、その異形異類ぶりを際立たせつつ共同体の中へと闖入していくことで、「まれびと(客人)」すなわち神としての資格を与えられ、歓待されていったのです。
今週は蔑視されることを恐れずに、みずからのマイノリティー性を開示していきましょう。
水面から飛び跳ねる魚
人間の想像力や思考パターンに限界があるように、運命の流れというのは厳密にはそうそう変えることはできません。
途中で何かが変わったとしても、環境要因が定めるある程度の幅の内だけ。ただし、水面から飛び跳ねる魚のように、別の流れへと移ることのできる例は稀に存在します。
それは環境そのものを大きく転換させる時代の変化に早々に気がつき、それにリアクションが取れたケース。これは少し誇張された形で「百匹目の猿現象」として知られているものですが、かつての日本人ならば、そういう人をこそ「まれびと(客人)」と呼んだはずです。
ビッグウェーブの予兆を敏感に察知して、ひとり行動を開始していくこと。
今週のキーワード
「百匹目の猿」になる