しし座
生者にハロー、死者にはサヨナラ
儀式を済ます
今週のしし座は、「放哉の句碑を日傘の裡に容る」という三好潤子の句のごとし。あえて、個人的な自分の経験と直接関係のある人間関係にフォーカスするか、それとも夢の中の住人となるかに、分かれていくような星回り。
今週はひとつ、いやもしかしたら幾つかの関係が変化がもたらされていくでしょう。それは仕事やパートナー、それ未満のささいなストーリーに幕が下ろされるだけかもしれませんし、ある人の存在がみるみるまに大きくなるといったこともあり得るでしょう。
いずれにせよ、あなたは変わりゆく関係に対し、毎年お盆に御霊をしかと送りだしては水に流し、あるいは迎え入れては火を焚くように、しっかりとそのことを記憶に刻みつつ、やがてまた前へ向いて歩いていくための区切りの儀式を済まさねばなりません。
さよならを言うのは誰か、ハローと声をかけていくのはどこか、よくよく見定めていくべし。
何も失われてはいない
たとえ取り組む仕事や、関わる世界、付き合う人間、あるいは記憶そのものが変わってしまったとしても、生きて前を向いて歩んでいる限り、その歩みの中に交わった人たちとの記憶やその痕跡は残り続けるでしょう。
神林長平のSF小説『アンブロークン 戦闘妖精・雪風』の冒頭に、
「すべては変わりゆく/だが恐れるな、友よ/何も失われていない」
という言葉が掲げられていますが、これは今のあなたにおあつらえ向きのメッセージとなるかもしれません。
今週のキーワード
尾崎放哉