しし座
戦いの火蓋を切る
自分以外のもののために戦うこと
今週のしし座は、有川浩の『図書館戦争』のごとし。あるいは、現実逃避の手段としてではなく戦いの場としてみずからの仕事に臨んでいくような星回り。
この小説の舞台は公序良俗を乱す表現を乱す「メディア良化法」が成立して30年が経ち、本の検閲が当たり前のように武力をもって行われるようになった架空の現代日本。そしてそんな検閲に対抗できる力をもつ唯一の組織として、日夜攻防を繰り広げ「図書館の自由」を守っているのが「図書隊」であり、主人公はその新米女性隊員という設定。
なんとも行き過ぎた設定と思うかも知れませんが、今の日本社会の状況を鑑みるに、この作品はきわめて重要な問いを投げかけてくれているのです。それは、本に象徴される文化的コンテンツは、現実逃避の手段として利用される道具に過ぎないのか、それとも、その存在を守るために身を呈して戦うだけの価値があるものなのか、ということ。
ここではその答えを提示する代わりに、主人公の同期である柴崎麻子の名セリフを引用しておきたいと思います。
「お膳立てされたキレイな舞台で戦えるのはお話の中の正義の味方だけよ。現実じゃ誰も露払いなんかしてくれないんだから。泥被る覚悟がないなら正義の味方なんて辞めちゃえば?」
5月11日にしし座から数えて「自律と奉仕」を意味する6番目のやぎ座で、土星の逆行(常識の反転)が起きていく今週のあなたにおいてもまた、背筋をしゃんと伸ばして既に自分の一部であるところの誰かや何かのために戦っていくことがテーマとなっていくでしょう。
さらに一歩前へと踏み出していくこと
ある映画の中でこんなセリフがあります。
「人間は大きな幸せを前にすると、急に臆病になる。幸せを勝ち取ることは、不幸に耐えることより勇気が要るの」
あなたは今、粗削りながらもこの言葉の意味を実感しつつあるのではないでしょうか。確かに不幸に甘んじているより、自らがむき出しになる分だけ、その手で幸せを勝ちとりにいくことは怖いです。
けれど、感じたことをきちんと表現し、行動に移し、一歩踏み出していくことでしか得られない宝物の魅力に、あなたはとっくに気づいているはず。
それでもあなたが臆病風に吹かれた時、そっと背中を押してくれる心強い味方となってくれるのも、やはりあなたの放つ光に惹かれてきたか、その光を反射してくれる誰かの存在。
誰かと共有し合える、そんな旅の道行きこそが財産なんだと、今週は改めて実感していけるかも知れません。
今週のキーワード
素直な露呈