しし座
祝祭的時間
蝉とライオン
今週のしし座は、「暁やうまれて蝉のうすみどり」(篠田悌二郎)という句のごとし。あるいは、新たな生を得ていく際の聖なる時間を過ごしていくような星回り。
ようやく殻から脱け出して羽化したばかりの蝉は動きもゆっくりで、存在も淡く、「うすみどり」色をしていますが、これはどこか古代の動物寓意譚『フィシオロゴス』に伝えれられたライオンの描写と重なるところがあるように思います。
曰く、
「ライオンはその雌が子供を死産した時、その父である雄はその子達に3日間息を吹きかけるか、咆哮することによって生き返らせる」
と言いますが、この「幼い子ライオン」とはまさに23日(火)に太陽がしし座入りしたばかりのしし座の人たちの姿そのものと言えます。
彼らは生きたライオンと成っていくにあたり、外側から助けられるのをただ待つのではなく、みずから羊膜を内側から食い破って羊水を吐き出し、咆哮していくのでなければなりません。
そうしてこそ、暗い夜の終わりを告げる暁の日差しの中で新しい生を得ていくことができるのです。
たとえ間違っていようと何であろうと、不健全な同調圧力を破って、自分の色をはっきりと打ち出していくこと。今週はそんなことを心がけていきたいところです。
祭りばやしに体を投げ込む
今のあなたはどことなく、体の中で燃えている熱が今にもこみ上げ、貫き、爆発してしまいそうな様子に見えます。
ただ、それと同時に、人の壁に囲まれ、手に負えない状況に押し込められて、自らの熱の高まりをどう処理したらいいか、困ってしまっているのかもしれません。
でもきっとなんとかなるでしょう、これからしばらくの間、祭りの音は鳴りやみません。
外へ出て、行き遭う人とハイタッチをかまし、起きていることをそのまま楽しんでいれば、それは踊りとなって輪が広がり、やがて祝祭の音はあなたに合わせて響き始めるはず。
そうして祭りばやしに合わせて、体を動かしているうちに、硬直した仮面が砕かれ、噴出してくるエネルギーで自分がバラバラになっていくことだってあるはず。流れのままに身を任せていきましょう。
今週のキーワード
ただただ咆哮していくこと