しし座
大いなる分母を求めて
すぐには役に立たないけれど
今週のしし座の星回りは、思考の「分母」を広げていこうとする試みのごとし。すなわち、分子を少しでも大きくしようとええかっこしいするよりも、分母を大きくしてアホになること。
この4月に歴史上、初めてブラックホールの撮影に成功したことが世界中でニュースとなりましたが、その際、インタビュアーが研究者に「ブラックホール撮影成功が何の役に立つのか?」という質問をぶつけていた場面を覚えている人も多いのではないでしょうか?
研究者の方は苦笑いしながら
「今すぐには役に立たないでしょう。ただあえて言えば、太陽系だけでなく銀河系について知っていくことで、我々がどこからきたのか? 私たなぜここにいるのか? といった人類の自然への理解を深めることにはつながっていくのではないか」
と語っていました。
とても謙虚であると同時に研究者としてのプライドがうかがえる返答でしたが、これは言い換えれば、自然科学だとか経済とか、色々な物事をひっくるめて考えていくことのできるような思考の「分母」を広げていこうとしている訳です。
今の教育というのはあまりにも細分化されてしまって、いわゆる「リベラルアーツ」や教養というものが軽視され、「夕焼けはなぜ赤いんだろう」とか「宇宙はどういう形をしているのか」といった話も「蘊蓄」の一言で片付けられがち。
ですがこれも、分母(普遍的な世界観)ではなく分子(個人的に有利な点)を大きくしていこうというような、自我肥大的な発想を裏打ちしているのだと言えるでしょう。
3日(月)にしし座から数えて「未来への展望」を意味する11番目のふたご座で新月が起きていく今週は、自分の中でいかにして「分母」を大きくしていくことができるかを第一に考えていきたいところです。
アホで結構
例えば、「3/5」足す「2/3」を比較するには、そのままでは異なる分母同士で計算できないため、まず「通分」していかねばなりません。つまり、より包括的な「分母」を想像して、尺度の異なる分子同士を同じ土俵に立たせねばならない。
ただ、これはまさに「言うは易し、行うは難し」という奴で、現実にはなかなかぴったりくる分母を見つけられないまま、本来計算式が成り立たない話を成り立っていないにも関わらず展開していくしかなかったりしますし、それが過ぎれば「アホ」だと言われます。
その意味で今週は、根本的に「通じていない話」に通すべき論理の筋や普遍的なイメージのようなものを想像していかねばならないという課題に突きあたっていくことになるはず。
ただし、最後のところでは「アホ」で結構という精神を失わずにいましょう。
今週のキーワード
真の教養