しし座
水の巡りに沿わせて
浄水場としての<私>
今週のしし座は、「それらはもう無効浄水場の春」(佐藤智子)という句のごとし。あるいは、つまらないアイデンティティーやその遺物など、みずからどこかへ押しやっていくような星回り。
「もう無効」という言葉がどこへ向けられているのかは分からないけれど、冬場は死んだように静かだった浄水場も、水温のあがる春になってくると、にわかに活気づいていく。
そうして3月の下旬にもなって水べりの桜の木に花がつき始めると、普段なら入ることの許されないろ過地などの処理施設が一般公開され、家族づれなどさまざまな人たちが訪れることで、水も命も息を吹き返すのです。
つらい過去や、いまだ凍り続けている自分の一部など、アイデンティティーに訪れてしまった危機というものは、新たな喜びや、少しでも軽くなった足どりを自分なりにどこかへ運んで伸ばすなど、自分を総動員していくことによってしか、結局どうすることもできないのではないか。
そして、そのきっかけもまた、新しい季節がやってきたとか、ちょっとのきっかけを自分でものにしていくことでしか訪れないのだと思います。
今週のあなたもまた、そうした新しき日に立っていく1人であらんことを。
新鮮であろうとすることに伴う痛み
たとえ恵まれた状況にいたとしても、あなたにはどこかで「自分には、まだ実現されてない願いや、機能していない能力がある」という漠然とした思いを抱えているのではないでしょうか。
そうした事態は一般的には「不幸」や「不運」と呼ばれ済まされるものですが、あなたにはその「不」が矢印のように、つまり「幸せ」や「運」の在りかを指し示すもののように見えているのかもしれませんね。
一時の苦痛よりも、真実を選びましょう。いまあなたには勇気が味方しています。
今週のキーワード
初心