ふたご座
胸開き、夢深まる
割符のならい
今週のふたご座は、「夢の中まで彗星の尾のおぼろ」(中本憲己)という句のごとし。あるいは、夢に見た光景と現実世界とのつながりを見出していくような星回り。
彗星は宇宙の旅人。そんな彗星の“光のしぶき”を浴びながら、今夜も誰かが夢の中でそれを見ている。思わず、そんな映像を思い浮かべたくなる一句です。
夢は心の奥に広がる世界であり、彗星はときおり地球に近づいてきては去っていく気まぐれな旅人。けれど、実はその2つはつながっている。いや、もしかたしら同じものなのかもしれない。
かつて商人などが契約の証拠として、文字やしるしを木片や竹片などに書き、それを2つに割って別々に所有しておき、2つを合わせて真偽確認の証拠としたように。
今週あなたは、ぼんやりと夢の世界で見た光景と合致するものを、現実の中で見出していくことになるでしょう。
旅の花火
あるいは、次のような句を思い浮かべてみるのもいいかもしれません。
「ねむりても旅の花火に胸ひらく」(大野林火)
旅先での思いがけぬ花火との出会いの中で、胸のうちで眠っていたかつての情熱がしみじみと広がって、それがいつまでも残像のように残っているような。そんな抒情性が感じられる句です。
ある意味それは、いつか夢で見た記憶の光景が鮮やかに蘇ってきた瞬間の「光のしぶき」体験なのだとも言えるかもしれません。
今週は、今と昔とが不思議に交錯していく中で、あなたの中でさまざまな符号が合い始めつつあることを感じていけるでしょう。
今週のふたご座へのキーワード
割符を合わせる