ふたご座
すこやかなる儀式
Between the Worlds
今週のふたご座は、2つの世界を行き来する魔女のごとし。あるいは、中身が空っぽのお飾りに頼るのではなく、精神がきちんと宿るような儀式をデザインしていくような星回り。
「魔女」と言ってしまうと、余計なイメージが付着しすぎてしまうかもしれませんが、その本質は「自然と人間との豊かで真実味のあるかかわりあいの回復」にあります。
科学的に証明できる事実に基づき月を説明しようとする限りにおいて、月が岩石の塊なのは間違いではありません。ですがその説明で私たちの心や体が癒されたり、明日を生きるための糧を得たりすることはまずないでしょう。
特にいまのふたご座のあなたにとって、むしろ伝統的に継承してきたような「女神としての月」といった世界観や視点こそがますます必要になってきているのではないでしょうか。
心理学者のユングはかつて、「一義性は弱さのしるし、対立を抱え込むことこそが強さである」と述べましたが、この言葉はまさに今週のふたご座のためにあると言っていいでしょう。
「はてしない物語」が最後に語ったこと
ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』の終盤、夢の世界ファンタジーエンでの冒険を終えた主人公バスティアンに向かって、謎の本「はてしない物語」の持ち主が次のように語りかけます。
「ファンタジーエンに絶対に行けない人間もいる。……行けるけれども、そのまま向こうに行ったきりになってしまう人間もいる。それから、ファンタジーエンに行って、またもどってくるものもいくらかいるんだな、きみのようにね。そして、そういう人たちが両方の世界をすこやかにするんだ」
そう、両方の世界を健やかにするためにこそ、祈りや儀式は行われる。そしてそれらは人間が人間らしくあるために、世界の片隅で粛々と実践されていかねばならない生命線なのです。
今週はそんな生命線をどこにどう引いていくのかを改めて考え、そして実践してみてください。
今週のキーワード
対立を抱え込む強さを