ふたご座
ものの見方を改める
『私が語り始めた彼は』の手法
2018年、年最初の週のふたご座は、『私が語り始めた彼は』という三浦しをんさんの小説のごとし。
あるいは、自分自身と同じくらい関心が持てる対象について、徹底的に見つめ直し、アプローチしていきたいという強烈な欲求が突き上がってくるような星回り。
この小説では、おそらくは主人公なのであろう大学教授の村川が、実際にはその場に一度も登場しません。すべて誰かの目を通して語られるだけで、村川が自分の感情や意思を語ることはないのです。
そして、もうひとつ大きな特徴となっているのが、その語りの“トーン”でしょう。
村川は特にイケメンでもなく、若くもないのですが、なぜか女性にモテる男であり、妻と子供がいるのに何人もの女性と不倫関係にあり、女たちは村川の歓心を得ようとそれぞれに必死です。
そんな村川については、周囲にいる男性視点で淡々と語られていきます。
内容としては明るいものではなく、どこか諦めや不安、謎とを混ぜたものであり、最後にはどの語り手も村川と何らかの形で決別していくのですが、それがかえって村川への謎の感覚を深め、余計にモヤモヤしていきます。
そう、いまのふたご座のあなたには、そんな「これはいったい何なんだ?」という謎の感覚と、何かを語るための切り口が必要となってきている。もう俯いてひとりで黙っている時代は終わったのです。
目利きとは
別の言い方をするならば、「働いて得たお金で、趣味や贅沢をする」のではなく、「自分のこれと決めたものを、誰かが高値を付けたくなるくらいに練り上げていく」つもりで、物事をよく見ていくということでもあります。
どういうものが美しいのかを知らずして、富もお金もありません。
何をどう配置すれば、より本来の在り方に近づけるのか、条件や組み合わせを考えながら、自分の目から、新しい価値が転がりでてくるときを待つことです。
見ているものの在り方を見極め、それに見合ったものをまた周囲に配置しなおしていきましょう。
今週のキーワード
謎の感覚