ふたご座
歩くことと待つこと
ローリングストーン
今週のふたご座は、河原で転がるうちに丸くなっていく岩のごとし。あるいは、何かを無理に作りだそうとするのではなく、心の突起を「見つける」ことで自分らしく成っていくような星回り。
若者がデモに行くのはなぜだろう?
おそらくかつての左翼のような、持てる者と持たざる者の立場の転倒を本気で画策している人はごくごく一部で、ただ何かを叫んで練り歩くことがしたいんじゃないかと思う。
歩くこと、声を出すこと。とてもシンプルなことだけど、そうしていると、ふと見えないはずのものが見えてくる。境を越えて見えてくる。
「とうとうたらり、たらりら」。能の『翁』で大夫が最初に謡う最初のセリフ。
これはただの音であり、だからこそ神おろしの呪言となる。感情が漏れ出る瞬間を捉えるために、ただ歩き、声を出す。
今週はこれまで自分に強いてきた無理によって、硬くなってしまっていた心や身体のどこかを開いていくような、そんなタイミングとなっていくでしょう。
泉光院の行脚
江戸時代の山伏で、全国津々浦々を旅した「野田泉光院」という人がいます。
昔の日本人はとにかくよく歩いていたことで知られていますが、江戸時代に全国を自由に旅した記録を残した人は、何も芭蕉だけではないのです。
この泉光院という山伏は、56歳で宮崎の佐土原を出発してから、6年間で南は鹿児島、北は秋田まで何度も往復しつつ、旅を続けて歩きまくった様子を旅日記として残しています
その旅日記を参照していると、行く先々でいろいろな人に贈り物やちょっとしたボランティアをしている記述が出てきて、その機転の利きように目を見張ります。
ですがやはり、老いたる者の強みとはこういうところに出るのかも知れませんね。
今週のあなたも、身体は資本であり未来を呼び込む器と肝に銘じ、暇を見つけては歩くよう心がけてみてください。
今週のキーワード
感情の噴出