ふたご座
Swing Home
半分のあくせくと半分の瞑想
今週のふたご座は、「冬ごもり妻にも子にもかくれん坊」(与謝蕪村)という句のごとし。あるいは、ひょいと仕事に隠れていくような星回り。
仕事をするのはその仕事が好きだからという場合もあるが、なんとなく他の現実や家族から隠れたくなって仕事をしているという人も多いのではないだろうか。
掲句は江戸時代の三大俳人のひとりであった蕪村もまた、そんな一人であったことが分かる一句。
蕪村は京都で何度か転宅しているが、50代半ばから68歳で亡くなるまで腰を落ち着けて住んだとされる終の棲家で詠まれた句。画家でもあった彼は、妻と子のいる母屋から10歩ほどの離れをアトリエとし、そこで絵を描き、思索をし、家族から「かくれん坊」する自分の城としたのだろう。
むろん、たまに鬼につかまることだってある。それは確かに面倒なことではあるけれど、「かくれん坊」という遊びの一環だと思えば、そう悪くない心地がしてくるはずだ。
22日にふたご座から数えて「仕事の顔」を意味する10番目のうお座で上弦の月を迎えていく今週のあなたもまた、今度こそしばらく捕まらないぞという意気込みで仕事に隠れてしまうようなところがあるかも知れない。
融通無碍の家
仏教では“異なった別のものが一つに解け合っていながら何ら障害もないこと”を「融通」と言い、また、“何の妨げもなく他のものを拒否しないこと”を「無碍」といい、一方でその対語には「四角四面」という言葉が当てられる。
矛盾の中にありながら、その状態を否定しないで融通無碍でいること。それが、今週のふたご座にとって大事なテーマになってくる。なぜかって?
そういう状態が、人間にとってもっとも創造性が発揮され、あるいは、意味のある偶然や予兆をキャッチしていくことができるから。
どうせかくれんぼするにしたって、つかまることを愉しんだり、ついつい隠れていることさえ忘れて別のことに熱中したりするのでなければ、遊びとしては中途半端だ。
四角四面に物事を割り切ってそこに閉じこもるのではなく、窓を開けて、けれど目立たず、しばし融通無碍な時間を楽しむつもりで今週は過ごしていくべし。
今週のキーワード
かくれんぼを究める