ふたご座
一揆とインプロビゼーション
一揆と自由と遍歴の民
今週のふたご座は、不当な扱いに対しては「一揆」でこたえる民衆のごとし。あるいは自主的隷属にとどまるか、よりよい権利と条件を求めて自ら行動を起こすことを選んでいくか、分かれていくような星回り。
中世史家・網野善彦の著作を読んでいると、一揆の現場には、大勢の百姓の背後に背後に、数限りない「賤民」や「化外の民(野蛮人の意)」が立ち現れてきて、思わず眩暈を覚える時があります。
その中には、遊女、巫女、助産師、女商人などの遍歴する女性たちや、鋳物師、博打打ち、薬売、唐人などの職人・芸能民なども含まれており、そこに居並ぶ人間の色彩の豊かさに、どす黒い土気色の顔一色に染まったある種の暗さが打ち消されていくような気さえしてきます。
彼らの存在が教えてくれるのは、人類の歴史において自由と野性に開かれた人間というのは、しばしば社会から抑圧され、差別に射すくめられてしまう運命パターンを内臓しているのだ、ということ。
隷従とは慣れでもありますが、その意味では、一揆の前提には「いつまでも慣れない」という事態や自己認識があり、そうした違和感を行動へとつなげた結果が一揆なのです。
今週もし自分がしようとしている行動があるなら、それが自分の中でどんな違和感に由来しているのか考えてみるといいでしょう。
ゴリアテに挑戦するダビデ
しばしば弱き者が強者を打ち倒す譬えとして用いられてきたダビデですが、実はもともとダビデは戦士ではなく、たまたま戦場の兄たちに食料を届けにいった際、ゴリアテの挑発を聞いて奮起し、挑戦を決意したのだそう。
一揆というのも、長期的な計画に基づいて入念な準備に基いて行われる場合もあれば、即興的に行われることがあってもいいのではないかと思います。
もし今やりたいことに対する迷いがあるのなら、あなたは「奮起」していく必要がありますが、今週は特に「思い立ったが吉日」という言葉を大切にしていくといいでしょう。
今週のキーワード
自主的隷従