ふたご座
凸と凹
からだに温もりを
今週のふたご座は、「枯るる貧しさ厠に妻の尿(しと)きこゆ」(森澄雄)という句のごとし。あるいは、自分が他者に求めているものを本能で割り出していくような星回り。
どことなく、すき間風が吹くあばら家のワンシーンを想像してしまう一句。食べ物もほとんど底をつき、会話もなくなってきた静寂の中、唯一生きているものの温もりを感じさせるものとして、作者の耳に響いてきたのだろう。
寒々とした空気があらゆる命を枯らしていこうとする中で、それはまさに命の音であり、他の何よりも自分を安心させてくれるように感じられたに違いない。
掲句は、俳人の立場ではなく、人間の立場から、自分が真に求めているものを切り出そうとしているように思える。
愛の根底にあるのは、美辞麗句ではなく排泄行為であり、頭脳的高揚ではなく生理的快感なのかも知れない。
差し迫る冬至に向け、日の光がますます短くなっていく今週は、いまのあなたが真に必要としているものを、できる限り注意深く感じとり、選び抜いていきたいところ。
運気に滋養を
人との断ちがたい繋がりを表わす‟縁”という字は、‟円”という字とも同じ音ですが、これは単なる偶然以上の意味があるのではないでしょうか。
例えば、実際に住む人の集まりやすいリビングに丸テーブルがある家族は、普段から家族仲がよかったり、いざという時の結束が固かったりする傾向があります。
そしてまさに今週のあなたの課題もまた、特に切迫していたり緊張感のある人間関係の中で、まあるく円を描くような動きができるかどうか、あるいは、そうした‟円の精神”を誰かとの繋がりに見出していけるかどうかにあるのだと言えます。
ただ、私たち人間というのは皆誰しもが、激しい凹凸をもっているものであり、世間や周囲がいくらダメだと言っても、自分の凹にどうしたってハマる凸であれば、それは円なのです。
人との繋がりに丸みが出てくると、そこには体温が宿ります。そして、そうした温もりこそが人の運気を育てる。ぜひそんなことを頭の隅に置きつつ、一週間を過ごしてみて下さい。
今週のキーワード
まあるい関わり