ふたご座
怖いものは何ですか?
秘密の冒険
今週のふたご座は、『おしいれのぼうけん』という絵本のごとし。あるいは、幼き日に心の奥底にしまい込んだままの「魂の隠れ家」を探りあてていくような星回り。
いくら注意されても、先生の言うことを聞かなかった時に入れられる「まっくらなおしいれ」と、人形劇の「ねずみばあさん」。
その2つの「怖いもの」によって象徴されるこの絵本は、幼稚園でのヒアリングから作られたというだけあって、生々しいリアリティーが漂っています。
物語の冒頭、お昼寝の時間中にいたずらをしておしいれに閉じ込められた「あきらとさとし」は、しばらくジッとしているうちに、フッと闇の向こうに別世界へ通じる通路が開く。
そして自分たちを捕まえようとする、ねずみばあさんとお供のねずみたちが現われたことに気が付きます。二人は協力しながら必死に逃げるが…というのがお話の見どころ。
もちろん、大人になれば「押入れ」もお婆さん姿に扮したねずみの「人形」も、ただの空間や玩具へと変わってしまうのが普通。
ですがそうして全てが普通になっていく過程で失っていくものを私たちは「童心」と呼ぶのだと思います。
今週は、まさにそんな童心に帰っていくにあたっての呼び水となるような「怖いもの」が不意に顔を出してくるような、そんな気配を感じさせる星回りです。
童心は神心
中世日本では、神事につかう楽器、人間の命を託す船、あるいは鎧や刀などさまざまな特別品に、子どもの名前であることを示す「丸」をつけて呼んでいたそうです。
それは子どもというのが、聖と俗の境界にある特異な存在であると見なされていたから。つまり神仏と関係をもち、その力の恩恵にあずかっていると考えられていた訳です。
逆に言えば、子供が怖がるものというのは、神仏がその力を発揮する上で遠ざけておきたいものや状況でもある、ということ。
そういう意味では、「くらいおしいれ」とは、日の光が一切届いてないということであり、「ねずみばあさん」は、病死や不衛生の象徴としてのねずみを暗示しています。
今週あなたのテーマは、そうした神仏の力をきちんと授かることのできるような、魂の座を見つけていくことでもあるのです。色々な意味で初心を取り戻していきましょう。
今週のキーワード
丸