ふたご座
虚実の反転
夢の後味
今週のふたご座は、「窓近き竹の葉すさぶ風の音にいとど短きうたた寝の夢」(式子内親王)という歌のごとし。あるいは、夢と現実とがその重みにおいて反転していくような星回り。
竹の葉が風に揺れたり擦れる音が窓のすぐ近くでしている。その音で、ただでさえ短くはかない「うたた寝の夢」が覚めてしまったというもの。
昼とも夜とも書いておらず、どことなく明け方頃のぼんやりとほのかな明るさを感じはしますが、もしかしたら、自分でも今がいつなのか分からなくなっているのかもしれません。
つまり風が吹くのも、竹が揺れるのも、リアリティーがあるのはすべて「うたた寝の夢」の中の話であり、それがどんなにはかないものであったとしても、作者にとっては味気ない現実よりむしろ重要なものなのです。
こうした現実と夢の反転は、さまざまなおとぎ話や神話、『不思議の国のアリス』などのお話にも広くみられるモチーフですが、今のふたご座のあなたにおいても、少なからず起きてきやすいはず。
うまくいけば、結果的に「自分にとって何が大切なのか」ということを巡り、何らかの発見をしていくことができるでしょう。
子は7歳で人となる
奇妙な言い方かもしれませんが、今週のあなたは「永久歯の生えてきた子供」のように、ようやく自らを活動の中心として使えるようになってきたという言い方もできるかもしれません。
つまり、自分の人生や経験をやっと十分に「噛むこと」「味わうこと」ができるだけの準備がようやく整ってきたということでもあります。人が何を言おうが思おうが、今は自分なりの生き方を、自らの感覚を通じて、しっかりと再確認していけるのではないかと思います。
そういう感覚を見失わないためにも、「仕方なく」「惰性で」、あるいは「本当はあまり美味しいとは思わない」ものを食べ続けないように注意してください。
そうしてきた子どもは、決して健全には成長できません。まずは、あなたの中の内なる子どもが、目を輝かせて無心に何かをほうばっている姿を想像してみましょう。
感じることだけに集中していれば、これから自分がどこに向かって成長していきたいのか、自然と分かってくるはずです。
今週のキーワード
歯の生え替わり