ふたご座
ひとつの区切りをつける
盆と栽
今週のふたご座は、手塩にかけて心のオアシスを造形していく盆栽職人のごとし。すなわち、自分の頭の中からウケ狙いの戯れ言をそぎ落としていくことで、心理的な安定感をつくり出していくような星回り。
盆栽とは「盆=鉢」「裁=植物」を意味し、鉢と植物が一体化することで初めて盆栽となります。
盆を無視して植物が繁茂しているようでは「野生」そのものですし、かと言って、盆を強調しすぎて植物を抑え込んでしまえば「不自然」となってしまう。
そういう意味では、ふたご座的な生き方や流儀というのは、強い野生の匂いを発する熱帯の植物のようでもあります。
常に日光との直接的な接触の機会を求め、様々な方向へはなはだしく広がっていく。
そうした体験の広がりをみずからのアイデンティティーと結び付けていくためには、やはりどこかで区切りをつけ、デザインされた一個のまとまりにしていかねばなりません。
今週は、広がり過ぎてしまった選択肢や、雑多になり過ぎている生活の中で、何が大事で、何が不要なのか、という基本形をしっかりと自分に叩き込んでいくことがテーマとなっていきそうです。
頭ではなく、心の目で、みずからの生活を盆栽に見立てていきましょう。
『想像力を触発する教育』(キエラン・イーガン)より
子供たちに対し「想像力に富む学習の触発」を試みるための指導要領として、イーガンは次の15項目を挙げています。
①できるかぎり「物語」を重視する。
②柔らかい「比喩」をいろいろ使ってみる。
③何でも「いきいき」としているんだという見方をする。
④とくに「対概念」に慣れてイメージを膨らませる。
⑤「韻」と「リズム」と「パターン」に親しんでいけば、様々な言葉になじめる。
⑥「冗談」や「ユーモア」で状況がわかるようにする。
⑦内外の「極端な事例」や「例外」に関心をもつ。
⑧ふだんの「ごっこ遊び」はとことん究める。
⑨自分の「手描き」のイメージで何が描けるかを知る。
⑩「英雄」とのつながりを感じられるようにする。
⑪身の回りにも世界にも、いったいどんな「謎」があるのかという関心をもつ。
⑫どんなことも「人間という源」に起因すると知る。
⑬好きな「コレクション」と「趣味」に遊べるようにする。
⑭事実にもフィクションにも噂にもたえず「驚き」をもって接する。
⑮想像力を育くむ認知的道具の大半は「日々の生活」の中にある。
これは盆栽職人の業とも、深く通底するものがありますね。
15項目すべてを自分に課す必要はないですが、このうちの幾つかでもやってみるといいかも知れません。
今週のキーワード
職人は道具の手入れを怠らない