ふたご座
未来の考古学
うつろ舟に乗って
今週のふたご座は、1803年、常陸の国で発見された未確認飛行物体「虚舟(うつろぶね)」のごとし。あるいは、古いものに依存していくことで、新しい流行に乗っていくような星回り。
滝沢興継の「うつろ舟の蛮女」という図譜や当時の記事などを見ると、うつろ舟は鉄製の蓋つきの土鍋のような形をして、小さな窓もあり、何やら大きな箱を抱えた女性が乗っていたようで、船内には解読不能の文字のようなものが書かれていたとか。
海から漂着した謎の舟を人々は怖れて、再び海に流してしまったという。
この簡単な素描をめぐって、どれだけ多くの人が「UFO」という言葉を思い浮かべただろうか。
むろん、当時の人々の頭のなかには「異星人」という概念はありませんでしたし、「うつろ舟」が動力をもって、空から飛んできたと証言する資料はこの世に存在していません。
ですがUFOという概念が生まれた以後の時代に生きている私たちからすれば、それは紛れもなく「日本に飛来していたUFO」と思われるものの記録のひとつに他ならない訳です。
あまりに古いものは、かえって最新の流行の中でも見出されやすかったり、逆に未来を感じさせるものが、既に過去に存在していたり。
今週のあなたはそうしたパラドックスをみずからの実感をとおして体験していくことになるかもしれません。
温故知新の作法
地球上で、適度な嘘や曖昧さを織り交ぜたコミュニケーションに気を張り続けるのはやめて、故郷の星にでも帰っていったん骨休めするのも悪くないのでは? と、今週は思わずそんな言葉をかけたくなるようなタイミングでもあります。
スケジュールをやたら先取りし、地球上の現実に忠誠を尽くす人間が周囲から時折ひとりふたり減っているのは、宇宙的なバランスを持続的かつ健全に保つ上では必要な現象ではないでしょうか。
これから何をしていくべきか迷ったり行き詰まったりした時は、いったん宇宙に溶け出していくような恍惚感に身を浸し、無重力空間の中で起きたあるがままを感じて、自分の心中によく耳を傾ける時間を大切にしてください。
今週は夢やふと受け取ったメッセージなど、無意識との接触体験もいつも以上に決定的な意味を持つはずです。
今週のキーワード
宇宙人は地球の夢を見るか