やぎ座
身ぶるい、そして開かれ
畏れと祈り
今週のやぎ座は、「おそるべき君等の乳房夏来る」(西東三鬼)いう句のごとし。すなわち、力強い一筆書きを思わせるような生命への賛歌とともに、身を震わせていくような星回り。
これから本格的に「薄着」の季節に入ってくると、太陽だけでなく肉体までもがその圧を増すように感じられます。掲句は、肉体とくに乳房を「おそるべき」と形容している点が斬新ですが、素直に男性として特定の誰かではなく「君等」、すなわちすべての女性に圧倒されているのだろう。
自分とは異質な存在であり、決定的な断絶の向こう側にあるにも関わらず、こちらを意識の深いところで惹きつけてやまない「君等」へ捧げられたこの句は、そのまま生きとし生ける者をつくりだした万物の創造者への、感謝と祈りの言葉でもあるように感じられる。
「女性等」とまともにわたりあう自信などまったくない。けれど、それでも作者は、言葉という自分なりの武器を駆使して、「君等」の存在になんとか応えようとしていることは伝わってくる。
今週のあなたもまた、自分とは異質な存在へ向かって開かれていくだろう。
赤ちゃんの「新奇選考」
赤ちゃんというのは、人の顔をなかなか覚えない一方で、とても新しいもの好きな傾向があります。なぜかというと、それは「脳に刺激を与えるため」なのだそう。
彼らは好んで少しでも複雑な柄を見ようとするし、6カ月を過ぎて立体視力が備わってくると、奥行きがあるものを見ようとし、さらに手も出るようになっていく。
赤ちゃんは適当に手を伸ばしている訳ではなくて、確実に手が届くものに好んで手を出し、全身を開いて刺激を与えてくれるものと交じり合っていこうとするのです。
今週のあなたもみずからに刺激を与え、脳内世界を広げていこうとすることがあるでしょう。
今週のやぎ座へのキーワード
赤ちゃんには断絶などない