やぎ座
次へ行くために痕跡を消すこと
辞世の句に見る次への向かい方
今週のやぎ座は、「我身今 消ゆとやいかに おもふへき 空よりきたり 空に帰れば」という北条氏政の辞世の句のごとし。あるいは、自分がこれまで築いてきたものから立ち去り、次を見据えていけるかを問われていくような星回り。
この「空」とは上空に広がる「そら」のことではなくて、仏教用語の「くう」のこと。
つまり、現実に起こる色々な出来事というのは実在している訳ではなくて、みんなで見ている壮大な夢みたいなものなんです。いつかは醒めて消えてしまうものだし、それでいい。
そんな清々しさと潔さの中間地点に立っているような掲句ですが、まさにこれは現在のやぎ座が目指すべき到達点と言っていいのではないかと思います。
やぎ座の人というのは、「この世に生れてきたからには、でっかい痕跡を残してナンボ」みたいに考えるところがあって、これ自体を否定するつもりはありません。ですが今はかえって過去の痕跡にいかに囚われずにいることができるか、ということが大切になってきているのではないでしょうか。
過去の夢などはあっさりと消して、気持ちよく新しい夢を見ていくこと。そんなことを頭の隅において、今週はどうか過ごしていって下さい。
騎手の心得
言い換えれば、いまのあなたのテーマは、「最終コーナーを曲がって、見事なラストスパートを仕掛けていくとき、騎手は何を心がけるべきなのか?」といったことと通底しているのだとも言えるかもしれません。
以前どこかで読んだ騎手のインタビューでは、心掛けるべきは「自分のムチ入れで馬の力を引き出す!」というものではなくて、「できるだけ馬の邪魔をしない」という話をされていたのが印象的でした。
つまり、できるだけ自分がいなくても回っていくように、自分と周囲の関係性を調整していくこと。痕跡をできるだけ消していくことで、周囲の力を引き出す。そんなことを、今週は考えてみるといいでしょう。
今週のキーワード
空