やぎ座
自分の都合を解きほぐす
自然と向き合うということ
今週のやぎ座は、「つかれたお日さま」という詩のごとし。あるいは、生きるということをもっとリアルにしていこうとするような星回り。
読売新聞に長く連載されている「子どもの詩」に「つかれたお日さま」という印象的な詩が載っていましたので、ここに引用してみます。
雨ばっかりだね/お日さま/つかれたんだね/今年の夏は/元気いっぱいだったもんな/はりきりすぎたんじゃないのかい/お日さま/ゆっくりおやすみ
小学校2年生の男の子の作品とのことですが、雨が続く日々のなかで単に自分の都合から思いをぶつける代わりに、こうして隠れてしまった「お日さま」を何気なく思いやる言葉が出てくるところなど、素直に感嘆せざるを得ません。
どうしたって大人になると自分の都合や家族の都合、はたまた会社の都合など、特定の文脈に絡めとられて、それが固定化していきがちなものですが、子どもというのは本当に文脈ずらしの天才であり、それだけ社会というものを挟まずに、純粋に自然と向き合うことができているのでしょう。
その意味で、19日にやぎ座から数えて「遊び」を意味する5番目のおうし座で下弦の月(意識の危機)を迎えていく今週のあなたもまた、社会や人間と向き合う以上に、自然と向き合う時間を確保していくべし。
生きた自然と日常の積み重ね
「整体」という言葉が普及するきっかけをつくった野口晴哉は、自然に生きるとは何もジムに行って運動しオーガニックな食事を心がけることにあるのではなくて、ただ「白い飯を赤き血にして、黄色き糞にしていく」その繰り返しにあるのだと言いました。
生の食べ物を食べても、生水を飲んでも、海で泳いでも、森の中に入ってもそれが自然なのではない。人間という集合動物が街をつくり、その中に住んでいたって決して不自然ではないのだ。ただその生活のうちに生の要求をハッキリ活かすよう生くることが、生くる自然であることだけはハッキリしておかなければならない(『月刊全生』)
つまり、あなたの身の内にある「よりよく生きる要求」すなわち身体の言葉をきちんと聞いて、日常に反映させていこうということ。ただし、そうした自然の言葉は必ずしもこちらの都合のいい言葉とは限りませんが、その際の自然への対し方は先の詩においてすでに示されている訳です。
その意味で「生きるということをリアルにする」というのは、何か大げさなことをすればいい訳ではなく、そうした日常的な自然への対処の積み重ねによってこそ遂げられていくものであるということを、今週のやぎ座はよくよく胸に刻んでいくといいでしょう。
やぎ座の今週のキーワード
子どもは文脈ずらしの天才