やぎ座
本当の意味での社会貢献とは何か?
欲望を整えること
今週のやぎ座は、命を繋ぐことに伴うやましさを儀式を通して受け入れていくマタギのごとし。
あるいは、人間と自然、私と人生とのあいだの継続的なギブアンドテイクをしっかりと維持していくこと。
マタギとは古いやり方での狩猟を専門とする者たちのことで、基本的「山は山神様が支配するところであり、クマは山神様からの授かり物」であると信じている。
中でも大切にされているのは「ケボカイの儀式」というもので、これは射ち獲ったクマの頭を北に向け、左の足を下にして仰向けにし、次に塩をふって唱え言葉を三度繰り返すという神事です。
ひるがえって、普段私たちは既に殺された牛や豚、鶏、魚たちをスーパーで買って食べていのちを繋いでいる。
それは「日々殺しを買っている」のと同じこと。しかし、それを果たして意識している人はほとんどいないでしょう。
普段忘れてしまっていますが、私たちはみな殺戮者の子孫であり、すべての人には自然やこの世界に育ててもらった「借り」があるのだということを思い出してほしいのです。
今週は、自分の欲望が自然なギブアンドテイクの循環サイクルにおいてどれくらい適切なものなのか、一度考え直してみるといいかも知れません。
祭り/弔い
ここで金子みすゞの「大漁」という短い童謡を引用しておきたいと思います。
「朝焼小焼だ 大漁だ。
大羽鰮(おおばいわし)の 大漁だ。
浜はまつりの ようだけど
海のなかでは 何万の
鰮(いわし)のとむらい するだろう。」
「祭り」と「弔い」がここでは表裏になっており、大漁に大喜びして命を繋ぐ人間の裏には、父や母や仲間を喰らい殺されたイワシ達の姿がある。
逆に言えば、人間からしたら大災害である津波も、海の生物からしたらお祭りなのかもしれません。
そしてこれは個人の人生でも同じこと。幸せがくればおおいに祭るように、不幸せがあればきちんとそれを弔うこと。
さっさと忘れたいとおざなりにすることなく、今週は自分や人生から失われたものを「弔う」ことを意識して過ごしてみてください。
今週のキーワード
幸不幸もギブアンドテイク