やぎ座
柱を立てる
葦の芽のごとく
今週のやぎ座の星回りは、「空間を立てる」の一言に尽きます。 これまでやってきたことの繰り返しとは異なる、垂直性のものを立てて、そこから新しい神聖な空間を開いていくというイメージ。
より能動的に言えば、ゆるやかな流れの断絶であり、殺害。与えられた自然な素材を「切って」、新しい宇宙が開けてくるここぞという特異点を発見し、まず石を置いて、空間を立てていく訳です。
例えば『創世記』では、そうした行為のイメージを次のように描写しています。
「天地開闢の初め、大地は混沌として漂い、まるで水面に浮ぶ脂のようだった― 一説では、水に浮かぶ魚のごとくであった、あるいは、水に漂うクラゲのごとくであった。そこに突然、一つのものが出現したのである。その形は葦の芽のようであった。」
これから、どこにどんな垂直的な精神を立てていくのか? しっかりと腹をくくり、行為の開始点を見つけていくべし。
月山のごとく
芭蕉は「おくのほそ道」の出羽三山で「雲の峰幾つ崩れて月の山」という句を詠んでいますが、これなどは見事なまでの垂直性と言えるでしょう。
天にそびえ立つ雲の峰(入道雲)が崩れ、地上に降りてきて山になったようにしか思えない、そんなダイナミックなスケール感が展開されていて、まさに「空間を立てる」のにはもってこいの句。
茶ばしらにしろ、月山にしろ、垂直性という点では同じですが、それぞれにスケール感や傍らに置いてしっくりくるものなどが違っています。そしてそこには、自分の人間としてのスケールと合っているかが大切になってくる。
今週は、自分のスケール感がどれくらいのものなのか、改めて考えていくべきタイミングなのだとも言えるでしょう。
今週のキーワード
シンギュラー・ポイント