やぎ座
虚実を織り交ぜる
間で会話する
今週のやぎ座は、「落葉道二度聞きとれずもう聞かず」(藤井あかり)という句のごとし。あるいは、実際には交わされなかった会話や言葉にこそ重心を寄せていくような星回り。
落ち葉を踏みながら歩いている時のやり取り。歩きながら、ぼそっと相手が何か言ったのだろう。
一度聞き返し、もう一度聞き返したが、聞き取れなかった。まあいいか、とそっとほほえんで済ます。
鳥が鳴く。もうこんなに時間が経っていたのかと気付く。歩いてきた道のりを思う。そんなある日の情景を、心の交流に即して詠んだ一句。
言葉は明確で分かりやすければいいという訳ではなく、会話もまたその内容よりも間の方が大切だったりする。それは会話の相手が気心の知れた仲であるほどその度合いは高くなっていくように思う。
29日にやぎ座から数えて「精神的交流」を意味する3番目のうお座で約5カ月ぶりに海王星が順行へ戻っていく今週のあなたもまた、ある種のテレパシーが起きたり、そうした感度が高まっていきやすいかも知れない。
いい間を作っていくために
人間は言葉に支配されている動物であり、頭の中にはつねに言葉が流れている。
以前「占いって何の意味があるの?」と聞かれると、よく「自己内対話の促進」と答えていたのだが、悩んでいる時というのは、たいてい思念が閉じていて、ネガティブな同じ言葉がグルグルしていたりする。そうして流れ続ける言葉は荒れ狂った濁流のようになり、一度そうなってしまうとなかなか止めるのも大変で、多くの人はここで誰かに迷惑をかけたり、お酒で強制終了したりと、後々まで尾を引くような対処をしてしまう。
そうならないために大切になってくるのが「間」なのだ。自分や他人との対話の中でそれを感じるためには、例えばいつもよりゆったりと言葉を選んで書いたり、話したりして自分や相手を観察すること。すると、閉じていたグルグルが、さっと開ける瞬間が見えるようになってくる。
そして、よくよく観察してみると、ふだん他人としている会話というのも、ほとんどの場合、言葉の流れが速すぎたり、互いの間が噛み合っていないことにも気が付いてくるはず。
今週は会話にしろ文章にしろ言葉を何かしら言葉を紡ぐ前に、心地よさや不快感などをいったん噛みしめたり、相手のそれを感じる「間」を意識してみるといいだろう。
今週のキーワード
自己内対話の促進