やぎ座
内密の感覚をもって出会うということ
老いと若きと
今週のやぎ座は、問題児から天才的な可能性を引き出す術について大いに語る、100歳の老人のような星回り。
現代の発達心理学は、人が幼児から少年へ、そして青年へと段階的に発達を遂げていく過程について説明するけれど、本当に人間はそんなふうに出来ているものだろうか。
それとも古人が「三つ子の魂百まで」と伝えたような「魂」に当たる何かがあるのだろうか。
その回答は、実際の体験から語られなければならないし、あなたは今週、人に何かを語ることに大切な時間を費やすでしょう。
ただし、ああすべきこうすべきとやたらと理屈で体験を塗り固めるのでなく、重ねた老いを純化して、若さに反転させつつ語ること。
それは結果的に、百まで変わらぬような「三つ子の魂(三歳頃までに現れ出てくる性質)」に立ち返ることができるかどうかに掛かっているのです。
「表の自分」と「裏の自分」
雑誌『季刊仏教』に掲載されていた「宗教と癒し」というテーマでの対談の中で、心理学者の河合隼雄を相手に宗教哲学者の上田閑照が、その興味深い子供観について語っていました。
「上田は言う。われわれのなかには、実は二人の子供が住んでいる、と。一人の子供は、表の自分となって年とともに、年相応に成長し、変化してゆくが、しかし裏の自分であるもう一人の子供は年をとらないで子供のままでいる。外なる子供は変化して大人になるが、内なる子供は変化せずに子供のままでいる。どうもわれわれはこの二種類の子供を宿し、生きているのではないか、と。」
上田は続けて、親と子、いや老人と子供の関係であったとしても、
「外なる子供同士ではなく、内なる子供同士がその内密の感覚をもって」出会うとき、そこで人は至福の感情に包まれるのだ
と言うのです。最初に読んだとき、これはとても大事なことを語っている、そう思いました。
そしておそらく、今週のやぎ座であればそれよりもずっと深い実感が得られるのではないでしょうか。どうかそのご実感を大切に。
今週のキーワード
内なる子供同士がその内密の感覚をもって出会うということ