やぎ座
散歩の効用
散歩道としての人生
今週のやぎ座は、「しんしんと寒さがたのし歩みゆく」(星野立子)という句のごとし。あるいは、独り、我が道を歩んでいくことをどこか楽しんでいくような星回り。
寒空の下を独り歩いていくという情景を思い浮かべようとすると、どうしてもそこに寂しさやつらさや不幸なストーリーを想定してしまいがちですが、掲句ではむしろはずむように軽やかな純真な子供の心情が漂っているのが目をひきます。
昭和、平成と日本が次第に経済的に豊かな社会になるにしたがって、余暇やイベントデーはそれなりのお金を消費して他の誰かと一緒に賑やかに楽しんでいくことが追求された「幸福」のスト―リーでした。
ですが、少子高齢化が進み、ひとり焼肉やひとりカラオケを始めとする「おひとりさま」でも楽しめるサービスがますます一般化していくであろうこれからの時代においては、「ひとりなりの幸せ」をいかに楽しんでいけるかどうかが、幸福度のカギを握っていくのではないでしょうか。
やぎ座の守護星である土星へ「認識と知識」の星である水星が接近していく今週は、その意味で自分自身の「おひとりさま」の幸福度の現状がどれほどのものなのか、改めて気が付いていけるタイミングなのだと言えます。
さながら『となりのトトロ』の主題歌「さんぽ」のように、どこかウキウキした気持ちでどんどん歩いていきたいものです。
ノイズをカットするために
どこかで「万有引力とはひき合う孤独の力である」と谷川俊太郎さんは書いていました。
でも、互いに自然とひき合っていることを認めるのは実際にはとても難しいことです。
それは街やネットに溢れている性的な広告だとか、「ランチの時間だから食べなきゃ」といった植えこまれた自動プログラムとか、いろんな電気信号(ノイズ)を受信しまくりながら生きていると、いつの間にか足元がお留守になって、どこに立っているのか忘れてしまうから。
あなたはどこに立っているんでしょう? そしてその足元を支えるためには、どこからどれくらいの力を借りる必要があるのでしょうか。
おそらく、それを知るために人は独りで歩いてみなければならないのだと思います。
自分ひとりで歩くなら、どこを歩こうか。今週はそんなことを、朝、窓を開けながら考えたいですね。
今週のキーワード
歩こう歩こうわたしは元気