やぎ座
この先の人間関係を見すえて
ありのまま受け止める
今週のやぎ座は、「ばつたんこ手紙出さぬしちつとも来ぬ」(西村麒麟)という句のごとし。あるいは、そういう現実をいったん認めた上で、自分から手紙を出してみようかなと試みていくような星回り。
「ばつたんこ」は、鹿威し(ししおどし)のことで秋の季語。乾いた空気に、石に勢いよく打ち付けられた竹筒の音がよく響く。間違いようがないほどに明朗に。
そして、作者はそこで手紙が自分に「ちつとも来ぬ」ことを突きつけられるのである。
もっとも、自分が出さないのが悪いんだよなぁと思ってはいるのですが。
それでも「ちつとも」こないのはやはり残念であり、作者はそういう自分の思いをここで隠さず露呈させていて、その表しようが見事というか、「ばつたんこ」の音とあいまってなんだか昔話でも聞いているような気持ちになる。
けっして、焦っている訳ではない。ただ、ああそういえば手紙、自分も出していなかったな、という事実に思い当たり、我に返った。それが日が昇れば朝が来て、日が沈めば夜が来るのと同じくらい当たり前のこととして受け止めているようにも思える。
今週のあなたもまた、人間関係における現状を否定も肯定も交えぬようなニュートラルな視点から受け止めていくような機運が高まるでしょう。
原石を磨く
ある映画の中でこんなセリフがあります。
「人間は大きな幸せを前にすると、急に臆病になる。幸せを勝ち取ることは、不幸に耐えることより勇気が要るの」
あなたは今、粗削りながらもこの言葉の意味を実感しつつあるのではないでしょうか。確かに不幸に甘んじているより、自らがむき出しになる分だけ、その手で幸せを勝ちとりにいくことは怖いです。
けれど、感じたことをきちんと表現し、行動に移し、一歩踏み出していくことでしか得られない宝物の魅力に、あなたはとっくに気づいているはず。
それでもあなたが臆病風に吹かれた時、そっと背中を押してくれる心強い味方となってくれるのも、やはりあなたの放つ光に惹かれてきたか、その光を反射してくれる誰かの存在。
誰かと共有し合える、そんな旅の道行きこそが財産なんだと、今週は改めて実感していけるかもしれません。
今週のキーワード
素直な露呈