かに座
力をたくわえる
創造か破壊か
今週のかに座は、口から吐く糸で巣をつくる蜘蛛のごとし。共に生きる相手を待つか、引っかかった相手を喰らうか。そのいずれかを自ら占っていくような星回り。
蜘蛛は何もないところに巣を張っていくという創造的行為から、北欧神話などでは「繁栄」や「知恵と労働」のシンボルとされてきた一方で、暗闇で活躍し、他の虫を罠にかけてその体液を搾り取ることから、キリスト教では「悪魔」「強欲」「狡猾」など真逆の意味を表す象徴ともされてきました。
ただその目的が創造と破壊のいずれかに映るにせよ、巣づくりという行為自体は明らかに未来を見据えた行動であり、よりよい未来を築くためのネットワーク環境の整備でもあります。
まあ結論から言ってしまえば、どっちもするんですけどね。創造目的だけで巣をつくる蜘蛛なんていないし、逆も然り。彼らはそれについて自分を責めることもなければ、余計な言い訳をすることもありません。
人間だってそんなふうに、素直に認めてしまえればいいのかも知れませんね。
「核心~プロセス~」
「見本を真似るごっこには、
当然蜘蛛の糸を降りる衝動はない。
「結果」など昨今の地球人の流行であって、
追うにはまるで外れた的である。」
(橋龍吾、『銀河飛行』)
昨今の地球人からはずいぶん嫌われてしまっている蜘蛛ですが、だからこそ、他には見かけないフォルムと習性を持ちえ、結果的に唯一無二の存在としてさまざまな物語に登場し続けているのでしょう。
これほど「憎まれっ子世にはばかる」ということわざを地で行く生き物は他にあまりいませんが、(残念ながら?)このことわざは本当です。
今のあなたには蜘蛛のように、世間から嫌われる覚悟はありますか?
今週のキーワード
供犠台としての蜘蛛の巣