かに座
生命力にスイッチ・オン!
タマにズームイン
今週のかに座は、「お雑煮のお餅ぬーんと伸ばして食ふ」(西村麒麟)という句のごとし。あるいは、すっかりナマりきった体を思いきり整えていくような星回り。
今年のお正月はお雑煮、食べたでしょうか。
餅の形は丸か、四角か。餅はそのまま汁に入れて煮るか、焼いてから煮るか。
地域によってお雑煮の在り方も異なりますが、ひとつ共通して言えるのは、餅は固まったままだと味も染み込まないし食べにくいしであまりよろしくないということ。何より、餅はのばして食うのでなければ、気分も上がらないですよね。
そもそも、色が白く、形も自由に造形できることから、餅は古くから日本人において「タマ(魂)」を象徴するものと考えられ、歳初めにはそれを食べることでタマを補充することが習俗としてずっと伝えられてきたのです(鏡餅の形は心臓を模したものとされる)。
その意味で「お餅ぬーん」は、いわばきちんと勢いよく動きだしてくれるようにという願いの込められた心臓マッサージみたいなものかもしれませんね。
今週は縮こまってしまいがちな体やハートをのびのびさせていくことで、改めて2019年を元気に過ごしていくための準備を済ませておきたいところです。
人は心臓で本気になる
現代という時代における悲劇とは、何事においてもいまいち「本気になれない」ということの中にあるのではないかと思いますが、それはここ最近のあなたの姿に重なるのではないでしょうか。
感情的な「エモさ」であれ、より身体的な生命力のようなものであれ、それらが根本的なところで満たされることがないために、思いっきり何かにチャレンジするとか、あるいは非現実的な理想や夢を追いかけるというモードへ、なかなか移っていけない。
あるいは、好きなのかどうかさえも自分で分からない半端な相手ばかりと付き合ってしまったり、付き合っていても相手とぶつかることを避けた結果、なんだか余計にさみしさが深まってしまうこともあるでしょう。
それでこうした事態の本質というのは、言ってみれば「見てるだけ」なんです。
脳が主体になると、どうしても何かを見て脳を刺激させること自体が目的化してしまう。そうなると、自分のことさえどこか他人事のようにモニタリングしている状態になっていくので、結果、何も大事なことは起こりゃしない。
自分を本気にするためには、身体や心から持てる力を思いきり引き出して、それまで止まっていた心臓に主導権を移し、少しでも高鳴らせていくこと。今週はその一点に尽きるでしょう。
今週のキーワード
餅は「タマ(魂)」