かに座
死んだつもりになって
死後の反省を先取る
今週のかに座は、何を恥と思うかを問われていくような星回り。すなわち、道で転ぶことか、道を知らぬことか。
死後、生前の自分の行いの振り返りをさせられるという世界観をもし仮に受け入れるとするならば、多くの人は自分が気付くべきことに気付くことができなかったことを後悔することでしょう。
例えばそれは、自分が恨んでいた相手にむしろ自分は助けられていたことだったり、楽しそうに見えて羨んで憎んで仕方のなかった相手が実は苦しんでいたとか、自分だけが寂しい人間だというのは大きな間違いだった、などなど。
これは逆に言えば、気付くべきことに気付くことさえできれば、当時の苦しい状況やそれゆえの思い余った行動も大きく変わる可能性があるということであり、「自分は何に気付くべきなんだろう?」ということを探っていくのが人生なのだとも言えます。
今週のあなたは、いつもより少し大きな視点だったり、誰かの立場に自分がなって見る、ということがスムーズに行っていきやすいはず。
それは、死後に自分が後悔しないような状況を作っていくための大いなる気付きを促してくれるでしょう。
そして、そうした気付きは、思っているだけでは決して得られず、必ず実際の言動を伴なって初めて深まっていくものだということを忘れないで。
一期一会
以前、死について語り合う座談会に参加したことがあります。
それぞれが自分の思う死についての観念や思い入れ、身近なエピソードなどを語っていくのですが、その実そこにいる全員が死とは何かを知りません。まだ、生きているがゆえに。
つまり、死について語ろうとする生者は死そのものについて語れる訳ではなくて、自分にとって身近だった死、すなわち死者の記憶について語らざるを得ないのです。
そのために、死について語り合おうとすると必然的に家族についての話となり、座談会は次第に生者の集まりから死者の集まりへと反転していきます。
さらに、今はまだ生きている自分も、やがて生の記憶を抱いた死者となる存在であることを自覚するなら、生きているか死んでいるかということは、存在の記憶が明滅している「現象」に過ぎなくなり、両者の区別もなくなっていくのです。
今週は、あなたにとってかけがえのない他者、今はもう生きていない誰かへの喪失感やかなしみが、「一期一会」への感謝の想いへと変わっていくかもしれません。
今週のキーワード
「自分は何に気付くべきなんだろう?」