かに座
だんだん太陽になっていく
理想の場所選び
今週のかに座は、アマテラスの伊勢降臨にまつわる話のよう。あるいは、自分の中の太陽を発揮していくのに適切な環境について、あれこれと考えを巡らせていくような星回り。
王朝の祖神として祀られるアマテラスですが、『日本書紀』によればアマテラスは11代の垂仁天皇の時代に初めて伊勢で祀られるようになったそうです。
アマテラスを祀る場所を探し求めて、放浪の旅に出た垂仁天皇の皇女・倭姫(ヤマトヒメ)が伊勢の血に入ったとき、アマテラスが
「この神風の伊勢国は、常世(とこよ)の浪の重浪(しきなみ)帰(よ)する国なり。傍国(かたくに)のうまし国なり。この国に居らむと欲(おも)ふ」
と言ったので、社を立て、はじめてアマテラスがこの世に降り立ったのだと伝えられているのです。
太陽女神が、自分の命を新たにするにあたって、自分で「ここで鎮まりたい」と欲したというのは、今週のかに座にとっても、そして現代日本社会の女性にとっても、極めて示唆に富んだと伝承と言えます。
その際、場所選びの理由となっているのは、「常世(とこよ)の浪の重浪(しきなみ)帰(よ)する国」であること。
つまり、「古代人が思い描いた海の向こうの理想郷と繋がっている」場所であること。そして、「傍国(かたくに)のうまし国」であること。
すなわち、「都からは遠く離れてはいるが、満ち足りたよい」場所であることの2つです。
あなたの生活の質を高めてくれる、理想的な場所を求めて、今週は動いてみるといいでしょう。
かけがえのない存在
今週のかに座には、どこか「自分は自分なんだ」と気が付くだけの爆発力が宿っていく暗示があります。
青い花は青い光を、赤い花は赤い光を、白い花は白い光を放ち咲く。何が自分らしさなのか分かってくることで、人は月並みな型=記号への同一化を破り、「新しい自分像」へと向かう大胆な一歩を踏み出していけるわけです。
「もし君に、ひかり照らす相手がいなかったなら、君の幸福もなにほどであろうか。そして我こそは夜明けごとに君を待って、誰よりも君の存在から充溢する光を見つめ、よろこび、祝福してきた。わたしも、君のようにしなくてはならない。わたしも、光を贈りたい、誰かに分け与えたい。さあ、祝福しておくれ。君なら妬みなく、静かな眼で送りだしてくれるだろう。」
「君」とは太陽のこと。それほどの型を破るためのチャンスの流れがいま来ている、そんな風にも言えるでしょう。
今週のキーワード
アマテラス