おひつじ座
体を自由に、息をのびやかに
ブランコに乗せて
今週のおひつじ座は、「ふらここの天地伸びてをりにけり」(鳴海清美)という句のごとし。あるいは、息遣いを「天地」に同期させていく中で、嵐のときでも穏やかな深海のような境地に至っていくような星回り。
「ふらここ」とはブランコのこと。子供の頃はブランコを大きく揺らしていくにつれ、手足がどこまで伸びていって、まるで体が引き延ばされていくような心持ちになったものです。
ひるがえって、今週のおひつじ座は頭をフル回転させ、言葉や情報をあちらこちらに届けていくような、「働いている大人」然とした状況へと陥りがちに。
それはそれでもいいのですが、そこで忙しさに心を呑まれて呼吸を浅くしてしまうのではなく、手足や頭は動かしつつも、いかにして悠然とした時間の流れの中にある別ものの自分を感じていられるかが問われる、という風にも解釈できます。
かみさま、自然など。そういうものにどこか心を残しつつ、俗世にまみれる感覚を今週は感じていきましょう。
ヴィレラの場合
バレエダンサーであり振り付け師のエドワード・ヴィレラは、あるところでこう語っています。
「私は踊っていないときは、半分しか生きていない。踊っているときにだけ、充分生きている。私がベストを尽くして踊っているとき、人目にさらされているような感じがするが、そのむきだしの状態に自信がある。人生はすばらしく、何もかもが可能だという気がする。」
「だから踊りというものは、自分の内側から肉体の全体を把握することだと言えます。他にも肉体の発見を促すものはありますが、からだ全体が同様に機能し、かつ各部でエネルギーのレベルを独立させて機能させる点で、踊りは肉体のトータルな発見であり、特別なものだといえます」
肉体のトータルな発見。それこそが、今週のあなたが目指すべきものと言えるでしょう。
今週のキーワード
身体操縦術を深める