おひつじ座
目覚めの朝
月並みな人生に朝日差す
今週のおひつじ座は、広場の銅像が長い時の経過をへて、ついに自我に目覚める朝を迎えるような星周り。
人が自らの人生を誰かのつくった言葉を通して語らざるを得ない以上、どんな人生も型にはまったものであると同時に、そうして型に見守られて育つのが人間なのだと言えそうです。
いわば、人はみな、誰かのつくった銅像のようなものであり、誰かの手に支えられてセルフイメージを構築している。おひつじ座の人でさえ、そんな平凡さからは逃れられないのです。
しかし今週のおひつじ座には、どこか「自分は自分なんだ」と気が付くだけの爆発力が宿る暗示があります。青い花は青い光を、赤い花は赤い光を、白い花は白い光を放ち咲く。
そうして「花」や「銅像」といった月並みな型=記号への同一化を破り、「新しい自分像」へと向かう大胆な一歩を踏み出していけるだけの流れがいまスッと来ている、そんな風にも言えるでしょう。
自分にとっての太陽を見出す
目覚めの朝、広場の銅像はいつものように東から地平線を昇ってくる朝日が、暗い世界を刻一刻と赤く染め上げていく様を目の当たりにしていました。
これまでそれを当たり前のように受け止め、さして意識することもなかった銅像ですが、その日はふと心にさざ波が立つのを感じ、やがて朝日にこう語りかけるのです。
「もし君に、ひかり照らす相手がいなかったなら、君の幸福もなにほどであろうか。そして我こそは夜明けごとに君を待って、誰よりも君の存在から充溢する光を見つめ、よろこび、祝福してきた。わたしも、君のようにしなくてはならない。わたしも、光を贈りたい、誰かに分け与えたい。さあ、祝福しておくれ。君なら妬みなく、静かな眼で送りだしてくれるだろう。」
広場の銅像にとっての太陽にように、自分にとって唯一の大切な存在を持てる喜びをまざまざと見出したとき(太陽→銅像)、人は型を破るためのチャンスをつかみます。
これを逆にして言えば、あなたが大胆にも自分なりの人生を歩み出そうとするとき(銅像→太陽)、あなたの個性を誰よりも認め、その歩みを喜んでくれる誰かの存在こそが最大の力となるということ。
自分にとって太陽とは誰なのか、そんなことも考えてみてください。
今週のキーワード
太陽はこの世にただひとつ