おひつじ座
昨日とは別人な日常
風の知らせ
今週のおひつじ座は、「荒東風や喉元にある別の声」(石原みどり)という句のごとし。あるいは、他人みたいな自分の顔を発見していくような星回り。
人に言われてみないと分からないことだけれど、ちょっとした条件で人の声は変わってしまうし、毎日同じ声を出し続けるなんてとてもできない。
そして、時には前日までの自分とはまるで別人になってしまったような変化を遂げる瞬間がある。何かが一時的に乗り移ったのか、本当に別人になったのかは分からないけれど、とにかくそういうことがあるのだ。
人は一生のうちに何人の別人になっていくのか。個人差はあるだろうけれど、二人や三人ということは滅多になく、おそらく多い人で二十人弱くらいまでは行くのではないか。いずれにせよ微妙な変化になればなるほど、人に言われてみないと自分では気付かない。
「荒東風(あらこち)」とは、まだ寒さの抜けきらない初春の風が強く吹いたもの。しかし声を発してみて、初めてそういう風に気が付くこともあるかも知れません。
今週は何かしら自分の変化を他人を通して知るところが出てくるでしょう。
ピカソの場合
一生で何度も違う絵描きになったと言われているパブロ・ピカソですが、それは一般的に思われがちな成長の結果や変遷とはずいぶん違っていたようです。
「わたしは発達などしない。わたしはわたしだ」
「絵は部屋を飾るためにつくられるのではない。私は古いもの、芸術を駄目にするものに対して絶えず闘争している」
「ようやく子どものような絵が描けるようになった。ここまで来るのにずいぶん時間がかかったものだ」
彼のこうした言葉からは、禅語の「日々是好日」に似た境地を感じます。
今週のあなたは、何よりもまず自分自身からの影響で、新たに自分を創りだしていくことになるでしょう。
今週のキーワード
わたしはわたし