おひつじ座
惑星的孤独
虫を見極め、取り除く
今週のおひつじ座は、プログラミングにおける「デバッグ」作業のごとし。あるいは、これまで場当たり的に対処してきた人間関係の問題にきちんと向き合っていくような星回り。
英語の名詞「bug(バグ)」は「虫」を意味し、動詞「bug」には人を困らせる、イライラさせるという意味があります。19世紀末にエジソンが機械の故障に対して「バグ」という言葉を使って以降、コンピューターに発生する虫のことをバグと呼ぶようになり、今やスマホからPC、家電にいたるまで、あらゆるところに潜むコンピューターを動かす基本ソフトウェアに多種多様なバグが発生しており、世界中のプログラマーが日夜開発をすすめる一方で、膨大なバグが取り除かれている訳です。
このバグを発見し、修正する作業のことを「デバッグ」と呼びます。文字通り、「虫を取り除く」ことを指し、そこではただバグが発生したと報告するだけでは不十分で、その再現性を発見することが求められます。つまり、多様な原因と結果を見極め、バグを発生させる手順を見つけてはじめて、プログラムコードの該当する箇所が効率的に発見できるのであって、そうでなければ、問題が発生するたびに数千から数万行のコードの中から目視で間違い探しをしなければならない羽目になるわけです。
そして、こうしたいたちごっこはコンピューターに限らず、私たちの身体的レベルにおいても、対人関係レベルにおいても、社会的レベルにおいてもそれぞれ日夜起きているはず。
3月10日におひつじ座から数えて「コミュニケーション」を意味する3番目のふたご座で上弦の月(行動の危機)を迎えていく今週のあなたにとっても、特に対人関係レベルでのデバッグ作業に取り掛かっていくには絶好のタイミングと言えるでしょう。
ノイズをカットするために
どこかで「万有引力とはひき合う孤独の力である」と谷川俊太郎さんは書いていましたが、逆に言えば、互いが孤独をきちんとひとりで背負った上でなければ、本当の意味でひかれ合い、支えあう関係性にはならないのだとも言えるでしょう。
とはいえ、互いに自然とひき合っていることを認めるのは実際にはとても難しいことです。それは街やネットなどあらゆるところで不安や欲望を煽る広告だったり、「ランチの時間だから食べなきゃいけない」などと脳内に植えこまれた自動プログラムだったり、いろんな電気信号(ノイズ)を過剰に受信しながら日々慌ただしく生きていると、いつの間にか足元がお留守になって、どこに立っているのか忘れてしまうから。
あなたはどこに立っているんでしょう?そしてあなたの芯はどこにあるのか?
そして足元を支えるためには、どれくらいの力を蓄えていく必要があるのでしょうか?
おそらく、それを知るために人はひとりきりで立ち止まったり、歩いていったり、途方にくれたりする時間を確保していかなければならないのだと思います。自分ひとりで歩くなら、どこまで歩いていこうか。今週はそんなことを、朝、窓を開けながら考えてみるといいかも知れません。
おひつじ座の今週のキーワード
歩こう歩こうわたしは元気